群馬県富岡市議選の「当選無効」請求を棄却 東京高裁判決

 2023年の群馬県富岡市議選で当選した60代男性市議に居住実態がなかったとして、同市の70代男性が県選挙管理委員会に当選無効を申し立て、棄却されていた件で、男性が県選管の裁決取り消しを求めた行政訴訟の判決言い渡しが15日、東京高裁であった。大竹昭彦裁判長は「裁決は正当であり、選挙が無効であるとはいえない」などとし、男性の請求を棄却した。男性は判決文を確認の上、上告を検討するという。

 提訴していたのは市議選で落選した男性。大竹裁判長は「(県選管は)当選人の居住実態について、一定の調査をしているというべきだ」と指摘。電気や水道の使用量の推移を分析しても、居住実態がなかったことを推認できないとした。

 判決後、男性は「主張が認められず残念。支持者と相談し、今後の対応を考えたい」と話した。県選管は「裁決が法にかなったものであると認められた」とした。

 男性は昨年、市選管と県選管に当選無効を申し出たが、いずれも棄却された。「電気や水道の使用量といった客観的データを参考にしていない」などと主張し、県選管の裁決取り消しを求めて東京高裁に提訴していた。

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