「大槌刺し子」から新ブランド 靴や洋服などをリメーク

靴や服などに古布を当て、新たな価値を生み出している大槌刺し子のメンバー

 東日本大震災後、大槌町の被災女性らで始めた「大槌刺し子」からファッションブランドが誕生する。靴や洋服などを預かり、古布を縫い当ててリメークする新たなビジネスに挑戦。アパレル会社の協力を得て、若者や外国人などを中心に発信したい考えだ。女性の手仕事で世の中を明るくしたいという願いを込め、ブランドは「SASHIKO GALS(サシコギャルズ)」と命名した。

 町内の作業場には靴やジーンズ、ぬいぐるみなど試作品がずらり。定番スニーカーも色や形の違う古布を接ぎ当てれば、和風で「クール」な一点物だ。制作者はいずれも大槌在住の40~80代女性。佐藤淳子さん(65)は「パーツ一つを選ぶにもセンスが求められるので緊張感がある。常に感性と技術を磨いていかなくちゃ」と腕まくりする。

 大槌刺し子は2011年に復興支援プロジェクトで発足し、京都市のNPO法人テラ・ルネッサンスが運営する。作業に没頭することが心の癒やしになると評判で、最盛期には約200人が参加。作業報酬は復興の一助になった。

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