福井駅周辺は伝統「馬鹿ばやし」などで新幹線観光客を歓迎 フェスタオープニングは橘ケンチさんが鏡開き

多くの観衆を引きつけた馬鹿ばやしなどの伝統芸能ステージ=3月16日、福井県福井市のハピテラス
自身が監修した日本酒の鏡開きを行う橘ケンチさん(右から2人目)=3月16日、福井県福井市のハピテラス

 福井県の福井駅周辺のハピテラスや福井市中央公園では3月16日、開業記念イベント「北陸新幹線ウェルカムフェスタ」が開かれ、400年以上続くとされる県指定無形民俗文化財「馬鹿ばやし」など同市をはじめ4市町の伝統芸能ステージで観光客らをお出迎え。多彩なイベントが繰り広げられ県内外の人たちが福井に訪れた“春”に沸き立った。

 同駅近くの火産霊神社(ほむすびじんじゃ=手寄1丁目)の春の例祭で奉納される馬鹿ばやしの保存会メンバーや子どもたちが登壇。「ひょっとこ」などのお面を身に着け、お囃子に合わせて軽妙なしぐさで太鼓を代わる代わるたたいていく、独特の動きとばちさばきで観衆を引き付けた。

 福井商業高校チアリーダー部「JETS」のメンバーによるパフォーマンスもあった。新幹線開業イベントを目的に来福し、ステージを楽しんだ富山県富山市の男性(29)と妻(30)は「一度にいろんな伝統芸能が見られて良かった」と話した。

 市中央公園では恐竜なりきり運動会と題し、恐竜コスチューム姿の参加者による徒競走などが行われた。両会場では福井の風習にちなんだまんじゅう配りもあり、多くの人でにぎわった。

 フェスタは17日も開かれ、伝統芸能やJETSの卒業生らでつくる「チアドリームプロジェクト」のステージなどがある。

橘ケンチさん「福井への愛着高まっている」

 ハピテラスで開かれた「北陸新幹線ウェルカムフェスタ」のオープニングを飾ったのは、福井市食のPR大使を務めるEXILEの橘ケンチさん。県内酒蔵とコラボし、米作りから携わった日本酒の鏡開きで開業を祝った。

 日本酒は常山酒造(同市)の「常山 橘」と黒龍酒造(永平寺町)の「黒龍 あどそ 橘」。橘さんは「福井への愛着が高まっている。多くの人に豊かな食と一緒に味わってほしい」と話し、それぞれの味や特徴を紹介した。

 橘さんらによる振る舞いもあり、石川県加賀市の女性(20)は「はたちになって初めての日本酒。常山は甘みがあって飲みやすい」と笑顔を見せた。

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