島根県津和野町出身の篤志家の好意で県立津和野高校の寮が同町鷲原に整備され16日、現地で開寮式があった。生徒が新しい寮での生活に期待を膨らませた。20日から供用開始する。
同校は県外から生徒を呼び込む「しまね留学」を推進し、全校生徒195人のうち県外生は79人と4割を占める。下宿のほか、45人が同校横の「つわぶき寮」(定員男女各36人)や、女子生徒向けの町交流センター「ひまわり」で寮生活を送る。つわぶき寮の老朽化や入寮希望者が増える中で部屋不足が課題だった。
町出身で企業の福利厚生事業を代行するリログループ(東京都)の佐々田正徳会長が現状を知り、「寮がなくて進学を諦めることがあってはならない」と高校から800メートル離れた場所に土地を購入し建設。設備を整え県に寄付した。
寮名は「正徳(せいとく)寮」。定員は男女各50人で、2人一組の居室に加え図書・学習室や食堂がある。2024年度は73人が入寮を予定する。
開寮式で同校の宮島忠史校長が「小規模校ながら、これだけ最新設備と快適空間を備えた寄宿舎があるだろうか。良き伝統を受け継ぎ、新しい寮の文化をつくることがわれわれの務め」と生徒に伝えた。女子寮長となる2年生(17)は「みんなで快適に過ごせるよう、気を引き締めたい」と話した。
その後地域住民を招いた内覧会があり、生徒がグループに分かれて案内した。