「新」北陸発進 新幹線金沢―敦賀開業 三県、1時間圏

大勢の人に出迎えられ、ホームに入る「かがやき」の一番列車=16日午前6時48分、JR小松駅

 北陸新幹線の金沢-敦賀間(延長約125キロ)は16日、延伸開業し、北陸三県の主要駅が1時間圏内でつながった。石川県内では小松、加賀温泉の2駅が新たに誕生し、大勢の住民が一番列車を出迎えた。北陸と首都圏のアクセス向上は広域誘客の追い風になるとみられ、能登半島地震からの復旧復興の後押しにつながることも期待される。

 富山―福井は従来より27分短い44分で結ばれ、所要時間が1時間を切った。東京までは、小松が2時間40分、加賀温泉が2時間43分。金沢-大阪は従来より22分短い2時間9分となったが、敦賀で新幹線と特急を乗り換える必要がある。

 東京から敦賀まで直通する速達タイプ「かがやき」は1日9往復、「はくたか」は5往復が運行する。小松、加賀温泉両駅には「はくたか」と「つるぎ」に加え、「かがやき」が1日2往復止まる。

 北陸新幹線は2015年3月14日に長野-金沢が開業。金沢―敦賀は12年8月に着工したが、工事の遅れなどから開業時期が1年ずれ込んだ。総工費は1兆6800億円。

 延伸先の各駅では開業式が行われ、敦賀駅の式に出席したJR西日本の長谷川一明社長は「51年という長い年月をかけて開業の日を迎えることができた。これまで以上に多くの人にご利用いただきたい」とあいさつした。斉藤鉄夫国土交通相は「地震からの復旧復興の原動力となれば」と述べた。

  ●復興支援応援割スタート

 16日からは石川、富山、福井、新潟の4県で復興観光支援「北陸応援割」も始まった。地震で落ち込んだ旅行需要の回復が狙いで、4月26日までの宿泊代金が最大50%引きとなる。

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