「強運な猫。奇跡が起きた」犬猫保護シェルターの駐車場にひょっこり 4年前に迷子になったミルキー、国道越え隣の市へ インスタ拡散、チラシと一致

猫のミルキーと約4年ぶりの再会を喜ぶ賀数昌さん(中央)と、うちなーわんにゃんレスキュー隊の遠藤真広代表(左)、スタッフで妻の彩花さん=12日、沖縄市与儀

 【沖縄】北中城村美崎で迷子になった猫のミルキーが、4年ぶりに飼い主の賀数昌さん(63)の元に戻った。沖縄市与儀で犬猫保護活動をしている遠藤真広さん(55)の車の上に、ひょっこり現れたのがきっかけだ。遠藤さんらがインスタグラムで飼い主を捜し、回り回って賀数さんにたどり着いた。2人は「強運な猫。奇跡が起きた」と喜んでいる。(中部報道部・屋宜菜々子)

 賀数さん家族にかわいがられていたミルキーは2020年5月、自宅のドアが開いた隙に出て行き、迷い猫になった。当時6歳。チラシを貼り、猫捜しの業者にも依頼したが、1年たっても2年たっても見つからない。「もう生きてはいないかも」。失意のまま、賀数さん一家は沖縄市に引っ越した。

 ことし2月17日。「うちなーわんにゃんレスキュー隊」シェルターの駐車場で、遠藤さんは車のボンネットの上に1匹の白い猫がいるのを見つけた。人懐っこく、どこかから逃げ出したようだ。ササミをあげるとがっついて食べたので、ひとまず「ささみ」と命名して保護し、スタッフとインスタグラムで情報提供を呼びかけた。

 すると複数の手がかりが寄せられた。2月26日には、ある女性から4年前に撮影して保存していたという猫捜しのチラシが届いた。「そんなに前?」と驚いたが、載っている写真はささみにそっくり。すぐにチラシにあった飼い主に電話した。

 連絡を受けた賀数さんは「違うだろうな」と思いながらも、その日のうちにシェルターに向かった。尻尾を触ると先っぽが丸まった「かぎしっぽ」で、形がミルキーと全く同じ。「生きていた! 人生、捨てたもんじゃない」。抱き上げて再会を喜んだ。

 交通量の多い国道329号を横断し、自らシェルターまで来たと思われるミルキー。遠藤さんも「うちに来てくれて良かった」とうれしそうだ。3月1日に引き渡されたミルキーは、賀数さんの家族に囲まれて過ごしている。

 

(写図説明)猫のミルキーと約4年ぶりの再会を喜ぶ賀数昌さん(中央)と、うちなーわんにゃんレスキュー隊の遠藤真広代表(左)、スタッフで妻の彩花さん=12日、沖縄市与儀

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