豊後高田市の田染中生徒、地域の魅力が詰まった絵本製作 小学校で読み聞かせ【大分県】

児童に絵本の読み聞かせをする田染中生=田染小
絵本「まこめくんとある夏の冒険」と、制作者の財前柚希さん=豊後高田市の高田高

 【豊後高田】豊後高田市田染池部の田染中は、絵本「まこめくんとある夏の冒険」を作った。地区のキャラクター「まこめくん」が主人公で、地元にある熊野磨崖仏(国重要文化財)が舞台。生徒会長の河野夏心さん(14)=2年=は「田染の魅力が詰まった内容。多くの小学生や幼稚園の子たちに見てほしい」と話している。

 まこめくんは、中世の田園景観が残る田染荘(たしぶのしょう)で取れる荘園米とマコモタケを組み合わせたキャラクター。幅広い世代が集い、地域活性化策を話し合った2018年の「田染サミット」で出たアイデアから誕生した。

 21年のサミットでキャラクターが登場する絵本を作ろうと決まり、同校の生徒が企画。22年の文化祭で四つの候補作品から当時3年だった財前柚希さん(16)=高田高1年=の作品を選び、生徒会が製本した。

 物語で、まこめくんは友達のキノコの妖精「キノくん」と一緒に冒険をする。財前さんは「田染のPRにはスケールの大きな熊野磨崖仏を舞台にするのがいいと考えた。絵を描くのが好きなので、立派な絵本になって感動した」という。

 2月22日には田染小で、田染中生4人が絵本の読み聞かせをした。5年の道脇綺乃さん(11)は「話が面白くて、田染のことを知るきっかけになった」と笑顔を見せた。

 絵本はA4判22ページ。80冊を発行。市内の小学校や幼稚園、図書館などに配る。

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