「半歩前に出られた気持ちにもなる」城福監督が語った新潟戦での“2点目”の意味【東京V】

[J1第4節]東京V 2-2 新潟/3月16日/味の素スタジアム

東京ヴェルディは3月16日、J1第4節でアルビレックス新潟と対戦。8分に山田楓喜の鮮やかなFK弾で先制するも、32分と69分に失点。それでも90分に翁長聖のゴールで追い付き、2-2で試合を終えた。

これまでのリーグ戦4試合のうち、先制点を奪いながらリードが守り切れなかったのは、開幕戦の横浜F・マリノス戦(1-2)と2節の浦和レッズ戦(1-1)に続いて3試合目だ。

相当な悔しさがあったはずで、試合後の会見の冒頭で城福浩監督は、「ゲームが終わってサポーターに挨拶に行った時、彼らの声援を聞いて、彼らと一緒に早く勝利を味わいたいと思いました。悔しい想いをさせて申し訳ない」と口にした。

【PHOTO】終了間際の同点ゴールを呼び込んだ東京ヴェルディサポーター!
ただ一方で、指揮官が「追い付けたという意味では、今までの勝点(浦和戦で同点に追い付かれての勝点1)とはちょっと趣が違う」とも語ったように、チームとしては前向きに捉えられるドローとも言える。

横浜戦、浦和戦、3節のセレッソ大阪戦(1-2)と、いずれの試合でも得点は「1」。何度か決定機は作れていたものの、追加点を奪えず勝点を取りこぼしていたが、新潟戦ではビハインドの状況から2点目を奪い、勝点1を掴み取ることができた。

その2点目が取れた意味を、城福監督はこう語る。

「我々のペースになりつつあるところで失点をして、非常に難しいシチュエーションのなかで同点に追い付いた。

映像で検証してみないと分からないですけど、あの(69分の)失点のシーンは相手陣でサッカーをやっていながら、バックパスしか(手段が)なかったのかというシーンが3回くらい続いて繋がったようにも思います。

それがこのチームの悪い癖というか、そこに戻ってはいけないので、守備もアグレッシブにやって勝点を積み重ねていくという意味では課題も感じましたけど、半歩前に出られた気持ちにもなる2点目でした」

また、J1での戦いで得た学びも活きたという。

「前節からの学びとして、攻撃で点が取れない、前から良い守備をしていても相手ボールになってしまう。そこでのマインドセットは我々にとって必要なことで、辛抱する時間と前から行く時間のメリハリをしっかり付けられた。相手にボールを持たれた課題はあるにせよ、学んだことを表現できた」

もっとも、まだ未勝利である。次節はホームでの京都サンガF.C.戦。16年ぶりのJ1での1勝に向け、収穫と課題を次に繋げたい。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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