神社の境内に巨大卒業証書のパネル 「人生の節目に訪れ思い出の1ページに」 宝塚

境内に設置された巨大な卒業証書で記念写真を撮る参拝者=宝塚市伊孑志1

 「右の者は学びの過程を修了し大神様に報告したことを証します」

 兵庫県宝塚市伊孑志1の伊和志津神社の境内に巨大な卒業証書が設置されている。高さ約2メートル、幅約3メートルのパネルで、受け取る人の名前が書かれる部分が空白になっており、前に立って記念写真を撮ることができる。3月末まで置かれている。(村上貴浩)

 平安時代の記録に名前が残る由緒正しい同神社。近年は同市の市花であるダリアを手水舎に浮かべたり、同市出身の漫画家、手塚治虫さんの名作「ブラック・ジャック」のイラスト入り絵馬を制作したりと、工夫を凝らしたもてなしをしている。

 卒業証書のパネルは木田隼人宮司(43)が2年前に発案。当時、新型コロナ禍で卒業式が制限されていたことから「家族や友人との思い出づくりの手助けをしたい」と業者に依頼して作った。

 パネルには「今後もご神徳をいただき更なるご活躍をお祈り申し上げます」と応援の言葉も記されている。今後も毎年設置する予定で、文字の位置と比べることで身長の変化も分かり、子どもの成長の過程も記録することができる。

 市内では22日までに幼稚園の卒園式や小中学校の卒業式が行われる予定で、昨年は式後に多くの親子連れが写真撮影に訪れたという。木田宮司は「学業だけでなく仕事や人生の節目に訪れてもらい、思い出の1ページに残ればうれしい」と笑顔を見せた。

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