電車やバスなど公共交通機関を利用していると、たまに驚くほどマナーの悪い人に遭遇することがあります。あくまで公共の場所なのですから、他の乗客のことも考えて欲しいものですね。今回は電車の中で信じられない光景を目にした経験のある私の知人、Yさんに聞いたお話です。
車両に響く謎の音
ある日、Yさんは用事があって普段は乗らない路線の電車に乗ることになりました。
お昼頃であるにもかかわらず、電車はそこそこ混雑しており、立っている乗客もちらほら。Yさんはたまたま目の前の乗客が降りたため、すぐに座席に座ることができました。
「ん……？ 何の音？」
おしゃべりをしている乗客もおらず、寝ている人も多い静かな車両の中で、ズルズル、ズルズルという不審な音がするのに気づいたYさん。周りを見渡して、信じられない光景を目にしました。
「うわ、マジか。信じられない」
Yさんは思わずそう呟きました。なぜかというとYさんの座っている座席の近くで、電車のドア付近にもたれて立ったままカップラーメンをすすっている若い男性を目にしたからです。
そのおかげで車両の中にはじわじわとカップラーメンの匂いが広がり始めています。
非常識な若者に意外なお仕置き
「非常識だな……」
Yさんはそう思いながらその若い男性を見ていました。
その若い男性はカップラーメンを食べているだけではなく、電車の床にパソコンの入った大きなバッグを置いていたため、乗り降りする人の邪魔になっています。
Yさんは注意するかどうか迷いましたが、逆ギレされても怖いのでなかなか言い出せずにいました。
「あっ！！！」
ふいに電車がカーブに差し掛かり、車両が大きく揺れました。すると若い男性は手を滑らせ、カップラーメンを落としてしまったのです。
「あーあ……」
スープがたっぷり入ったカップラーメンは、床に置いていた男性の大きなバッグの中に、逆さまにスッポリ落ちてしまったのです。
箸を持ったまま呆然としている男性をよそに、車両内にはクスクスと笑い声が広がりました。
「うわ、パソコンが」
男性はバッグの中をのぞき込み、カップラーメンまみれのパソコンを見てがっくりと肩を落としました。
男性はその次の駅であわてて降りていきましたが、Yさんはようやく解放されてスッキリしたそうです。
公共の場所でカップラーメンのような、こぼれやすいものを食べるのはマナー違反ですね。時間がなかったのかもしれませんが、他の人の迷惑になってしまいますので、どんなにお腹が空いていても控えましょう。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター：齋藤緑子
