「世に出ていないすごい選手がいた」天才MF小野伸二、“消えた逸材”の存在を憂慮「指導者の見る目って何なのか」

昨季をもって現役を引退した元日本代表MFの小野伸二氏が、テレビ東京の『FOOT×BRAIN』で、MCの勝村政信氏と対談。2週に渡ってその模様がオンエアされた。

世界に誇れるテクニックで見る者を魅了したファンタジスタは、ポテンシャルがありながらも大成しなかった“消えた逸材”をたくさん見てきたと明かす。

「世に出ていない選手で、自分がいままで出会った、すごい選手がたくさんいた。そういう(上手い)選手が出てこないのは、指導のせいなのかな。もちろん一人ひとりの意識づけもそうなんだろうと思うんですけど。指導者の見る目って、何なのかなって考えられますよね」

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そして、「まだ自分自身が指導者の立場にはなれていないというか選手目線」と言いつつ、こう続けている。

「僕も含めて育ててくださった指導者の方っていうのは、人を育てるのはすごいことだなと感じさせてくれた。そういう中で我慢もあるんじゃないか。すごい選手だけどやんちゃだとか、そういう選手もたくさんいて、サッカーだけじゃなくて人間性とかも含めて、今まで出会った人は育ててくれた」

稀代のテクニシャンは、「個性もすごく大事。もちろん監督になればチームとしての戦い方が大事になると思うんですけど、でも、一人一人の持っているものが最大限に行かされたほうがいいと思う」と持論を述べている。

「個人個人がチームを大事に思えるかも大事。その中で自分の持っている色を出す。それで11対11が11対12の感覚とか、ひとり多いような感覚になれる」

個性的な選手が伸び悩むような環境になっていないか。サッカー界の現状を憂いた。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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