カヌースプリントのパリ五輪アジア大陸予選出場を懸けた日本代表選手選考会は14~16日、東京・海の森水上競技場で行われ、長崎県勢は水本圭治(チョープロ)が棚田大志(医療法人興生会吉本整形外科・外科病院)と組んだ男子カヤックペア(K-2)500メートルで1位となり、代表に決まった。
同種目は5艇で競った。棚田・水本組は抜群のスタートで飛び出し、中間地点を通過する時点で大きくリード。終盤は後続に差を詰められながらも、1分32秒058で快勝した。2位が1分33秒493、3位が1分34秒768で続いた。
水本は2021年東京五輪に4人乗りのカヤックフォア(K-4)500メートルで出場。今夏のパリ五輪も当初はK-4で出場を狙っていたが、代表権を懸けた昨夏の世界選手権で敗退。その後、K-4でもチームメートだった棚田とペアを組み、K-2で2大会連続の五輪出場を目指している。
アジア大陸予選は4月18~21日、今回と同じ海の森水上競技場で行われる。男子K-2は1枠の五輪出場権を争う。
年の差10歳コンビ 国内関門突破
五輪2大会連続出場へ、36歳の水本(チョープロ)がまずは国内の関門を突破した。ペアを組む棚田(医療法人興生会吉本整形外科・外科病院)は、昨秋の鹿児島国体カヤックシングルで2冠に輝いた奈良県出身の26歳。経験豊富なベテランと勢いのある若手が、息を合わせてパリ五輪への挑戦権を勝ち取った。
年明けから今大会の直前まで、高知県で行われたナショナルチームの合宿中に棚田と組むことが決まった。「練習からストイック。年下から勉強させてもらっている」と認める相方に刺激をもらい、自らも上り調子を実感。この選考会が2人で臨む初の公式戦ながら「よく決まった」というスタートで飛び出し、練習で敗れることもあったライバルペアに1秒以上の差をつけた。
前回の東京五輪でカヤックフォアに出場した水本はリズム取りやペース配分がうまく、初の五輪出場を狙う棚田は長身を生かしたダイナミックなパドリングが魅力だ。まだまだ粗削りで、水本は「息がぴったり合えば五輪の舞台で活躍することもできる」と可能性を見いだしている。
アジア大陸予選も今回と同じ会場で開催されるため、今後1カ月間、このまま現地に滞在して練習を重ねる。「地の利があるのはかなり大きい」(水本)。パリ行きを懸けた最終戦へ、年の差10歳コンビが“最後の1枚”を取りに行く。