液状化の内灘町で初の住民説明会 対応遅れに不満も

初めて開かれた液状化被害に関する住民説明会=17日午後、内灘町西荒屋小 

 内灘町は17日、能登半島地震による液状化の被害が深刻な同町西荒屋、室両地区で、復旧の現状について報告する住民説明会を初めて開いた。被災した住民からは「町からの情報がなく、不安やストレスが募るばかりだ」との声が上がり、2カ月以上、町からの説明がなかったことへの不満がにじんだ。

 西荒屋の説明会は西荒屋小で約330人が参加し、約2時間半に及んだ。室は室公民館で約150人が駆け付け、約2時間開かれた。川口克則町長は「まちづくりの方向性や液状化の対策は住民と相談しながら決めたい」と強調した。

 町側は宅地の危険度判定で「危険」と判定されたのが両地区で半数以上になると説明した。建物の損傷が激しく、現在は使用されていない西荒屋の北部保育所について、西荒屋小に機能を移して再開する方向で検討していることも明らかにした。

 意見交換では西荒屋の住民が「もっと思いやりを持ってほしい。町は被災者に寄り添っていない」と非難する場面もあった。終了後、同地区の太田和弘さん(72)は「国や県の対応を待つだけでなく、町としての方針を示してほしかった。地区ごとに特色があるのでニーズをしっかりくみ取ってほしい」と語った。説明会は順次、被災地区で開かれる。

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