元ウォリアーズGMがカリーとレブロンの共演を希望「あの2人はコート上で互いを補完し合える完璧な組み合わせだ」<DUNKSHOOT>

3月16日(日本時間17日、日付は以下同)、ロサンゼルスのクリプトドットコム・アリーナで行なわれたゴールデンステイト・ウォリアーズとロサンゼルス・レイカーズによる今季3度目の対決は、アウェーのウォリアーズが128-121で勝利。対戦成績を2勝1敗とした。

試合は第1クォーター終盤にレイカーズのアンソニー・デイビスが相手選手に目を突かれるアクシデントで途中退場し、終盤にはショットクロック故障などもあって約20分間も中断になる珍しい展開となるなか、右足首捻挫から復帰したステフィン・カリーが31得点、6リバウンド、5アシスト、2スティールでウォリアーズを牽引。

さらにシックスマンのクレイ・トンプソンが5本の3ポイント成功を含む26得点に4リバウンド、3アシスト、ジョナサン・クミンガが23得点、4アシスト、アンドリュー・ウィギンズが16得点、6リバウンド、トレイス・ジャクソン・デイビスが10得点、4アシスト、2ブロック、ドレイモンド・グリーンが12リバウンド、13アシストと続いた。

プレーイン・トーナメントのスポット争いが激化している現在。勝利したウォリアーズは35勝31敗(勝率53.0%)でウエスタン・カンファレンス9位へ浮上し、36勝32敗(勝率52.9%)のレイカーズがゲーム差なしも勝率の差で10位へ転落。両チームは4月9日に今季最終戦が組まれている。
ウォリアーズのカリー、そしてこの試合でゲームハイの40得点に8リバウンド、9アシストを奪ったレイカーズのレブロン・ジェームズは、公式戦(レギュラーシーズン&プレーオフ)で通算50度目の直接対決を終え、カリーが27勝23敗で勝ち越している。

39歳のレブロン(21年目)と、36歳のカリー(15年目)は、現在もリーグトップレベルの力を維持。近年はスター選手がタッグを組んで優勝を目指すケースが多く見られるが、NBAの同じチームでこの2人を見たいというファンも少なくないだろう。

それはリーグ関係者も同様だったようだ。昨年5月末までウォリアーズのバスケットボール運営部代表兼ゼネラルマネージャー(GM)を務め、現在は米スポーツ専門局『ESPN』のアナリストとして活躍するボブ・マイヤーズは、16日の試合前に『NBA Countdown』に出演し、こう口にしていた。

「私の願望を知っているかい? それは1シーズン、同じチームで(カリーとレブロンが)プレーするのを見ることさ。なぜかって? あの2人は互いを補完し合える完璧な組み合わせだからだ。

あの2人はメガスターであり、NBAで最も有名な選手だ。カリーとレブロンは、バスケットボールのコートでこれ以上ないほど最高な組み合わせなのさ。レブロンはポイントフォワードで歴代でもベストパサーの1人、カリーはオフボールで動くことに長けている」
レブロンは強靭なフィジカルを駆使したドライブを軸にジャンパーや3ポイントを決める傍ら、チームメイトの動きを見逃さず、矢のように鋭いパスを繰り出してイージーショットを生み出すことでき、一方のカリーはクイックリリースかつ正確な3ポイントで相手ディフェンスを崩壊させるだけでなく、オフ・ザ・ボールの動きにも定評がある。

マイヤーズが指摘したように、レブロンとカリーがNBAで同じチームに所属してフルシーズンを戦うことになれば、大きな話題になることはもちろん、莫大な利益をもたらすだろう。

なお、今年2月の移籍期限前には、両チームのフロントオフィスの間で、レブロンのウォリアーズへのトレードという誰もが驚くような話し合いが行われていたとの報道があった。

今月上旬に公開されたカーメロ・アンソニー(元ニューヨーク・ニックスほか)のポッドキャスト番組『7 PM in Brooklyn』に、グリーンがゲストとして出演した際、このトレード案をこう評していた。

「そうなったらヤバいが、実現することはない。そのことで何度か話し合いがあったのはクールだった。だって、誰もが推測さえできないようなことがあの会話で起こるかもしれなかったんだからね」
もしレブロンとカリーがチームメイトになった場合、全世界に衝撃を与えるビッグニュースになるのは間違いない。レジェンドで例えるならコビー・ブライアント(元レイカーズ)とティム・ダンカン(元サンアントニオ・スパーズ)、マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)とマジック・ジョンソン(元レイカーズ)、ウィルト・チェンバレン(元レイカーズほか)とビル・ラッセル(元ボストン・セルティックス)が同じ球団でプレーするようなケースだけに、「たられば」の話ながら“あってはならないこと”と見る人もいるだろう。

それだけに、キャリア終盤の段階とはいえ、レブロンとカリーが同じNBAチームでプレーすることは考えにくい。ただ、今夏のパリ五輪では共闘する可能性は高いだけに、その時を楽しみに待ちたいところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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