「文化が高い、低いは重大な差別表現」川勝知事の発言めぐり静岡県議会が本会議で追及 責任ある行動などを求める決議も

静岡県の川勝知事が女子サッカーチームとの面談で「磐田の文化は高い、浜松よりもともと高かった」などと、揶揄とも受け取れる発言をしたことをめぐり、静岡県議会の最大会派は、3月18日の本会議の討論で知事の発言について追及しました。

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<自民改革会議 河原崎聖県議>
「文化が高いとか低いという表現は重大な差別表現です。あっちよりも、こっちの方が上という論法は、あの『コシヒカリ発言』と同じです。県民を分断する表現については強く戒められたのではありませんか」

県議会の最終日に問いただされたのは、またも物議を醸す川勝知事の発言についてです。

知事は3月13日、磐田市を拠点に活動する女子サッカーチームとの面談の中で「磐田の文化は高い、浜松よりもともと高かった」などと発言しました。3月13日の記者会見では、川勝知事は次のように説明しました。

<記者>
「誤解を与えるような発言を度々繰り返されてしまうのは、なぜなのか」

<川勝平太知事>
「私は自分の思っている通りのことをお話しているということ。場を心得てお話しているつもり」

名指しで揶揄するような発言は、過去にもありました。

<川勝平太知事>
「あちら(御殿場市)はコシヒカリしかない。だから飯だけ食って、それで農業だと思っている」

川勝知事は2021年に、いわゆる「コシヒカリ発言」で御殿場市を揶揄して辞職勧告決議を受け、2023年の記者会見では「再び不適切な発言をすれば辞職する」と明言しました。

度々物議を醸す知事の発言を受け、知事と対立を続ける県議会の最大会派は、急遽、本会議の討論で発言について追及する方針を固めました。

<自民改革会議 河原崎聖県議>
「知事ご自身が面白い、正しいと思って発言していることの多くは、聞き手からは受け入れがたいものが多いということを強く自覚する必要があります」

さらに、3月18日の県議会では、知事の行動をめぐる決議もありました。

<中沢公彦議長>
「本決議案は、原案通り可決されました」

2024年1月、知事が能登半島地震の対応に関する会議を「新年のつどい」に出るため欠席したことをめぐり、責任ある行動などを求める決議が可決されました。

<坂口将也記者>
「知事、発言に対して厳しい指摘もあったがいかがでしょうか?」
<川勝知事>
「・・・」

議会後、知事は無言で足早に去りました。

<自民改革会議 増田享大代表>
「反省するどころか、ちょっとエスカレートしている感じもあって、発言とかはですね。非常に残念に思っていますし、お灸を据えようにもなかなかいさめる薬というか手立ても見当たらなくなってきている」

またも知事の発言によって混乱が生じ、不適切な発言をしないよう再三求めてきた県議会との溝が深まる事態となりました。

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