イトーキとAIスタートアップの燈、オフィスデータを活用した生成AIの共同開発契約を締結

イトーキは、AIスタートアップ企業の燈と生成AI共同開発契約を締結し、「ITOKI OFFICE A/BI SERVICE」の取り組みの一環として、オフィスデザイン自動生成AIと関連したアプリケーションの開発を開始した。

共同開発に至った背景

イトーキはワークプレイス事業において、Office1.0をオフィス家具の製造・販売、Office2.0を空間ベースのソリューション提供ビジネス、Office3.0をデータ活用による働き方ベースのオフィスDXととらえビジネスを展開している。

今回、同領域のビジネスをさらに加速させていくため、AIを活用して建物自体の情報をデータ化するBIM(※)自動生成技術やデジタルツイン技術に強みを持つ燈との共同開発契約に至った。イトーキの持つ建物内部のオフィスレイアウトや家具データ、オフィスワーカーや組織の活動データ、それらを収集・統合・活用するノウハウに、燈の持つ技術を掛け合わせることで、ITOKI OFFICE A/BI SERVICEをアップデートさせ、空間と人の関連性を考慮したオフィスの提案につなげる。

※BIM:Building Information Modelingの略称

開発内容について

共同開発を進めるオフィスデザイン自動生成AIは、ITOKI OFFICE A/BI PLATFORM(※)に蓄積されたオフィスレイアウトなどのデータをもとに、さまざまなパターンのオフィスを自動でデザインすることができる生成AI。燈の空間スキャン技術を活用し、デジタルツインを構築する技術を確立することで、オフィスデザインをシミュレーションできるアプリケーションを開発する。これにより、従来膨大な工数と時間を費やしていた、オフィス内の寸法測定などのアナログ作業を、アプリケーションを用いた撮影で軽減し、オフィスデザインの初期の提案活動をよりスピーディーにする。顧客の人的資本経営の鍵となるアジャイルなオフィス構築に求められる、よりクイックで機動的なリニューアルの実現に貢献する。

※ITOKI OFFICE A/BI PLATFORM:イトーキのオフィスデータを収集・統合・活用できる独自のプラットフォーム

イトーキ 代表取締役社長 湊宏司氏のコメント

当社では本年度よりスタートした新中期経営計画の3カ年を拡大・創出フェーズと位置付けています。今回の燈様との共同開発は、オフィス家具のIoT化と空間センシングにより、データドリブンで、最適な働き方・オフィス空間を提供するサービスを開発する「Office3.0」領域の強化を企図するものです。年間約1万件のオフィスレイアウトデータなどを分析可能にする「ITOKI OFFICE A/BI PLATFORM」を強みに、今後もお客様の人的資本経営の推進をより俊敏に支援してまいります。ご期待ください。

Founder 代表取締役CEO 野呂 侑希氏のコメント

燈はこれまで建設業界において、工場や倉庫、ビルなどにおける空間認識技術やシミュレーション技術を用いたソリューション提供を多数手掛けており、技術を蓄積しておりました。本AI共同開発では、燈のこれまで培った技術を活かし、オフィスレイアウトの自動認識や最適なレイアウトの提案を行う生成AIの開発をイトーキ様と行います。今後も燈の固有技術を起点とし、全産業に共通する大きな課題であるオフィスワーカーの生産性の向上に対し、価値を出していきたいと考えています。

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