「君は最高の取引相手だ」 遠藤航への各方面からの評価は高まる一方! 国外メディアからも「昨夏の移籍市場で最も優れた選手」

昨夏にシュツットガルトからリバプールに移籍した遠藤航は、当初は適応に苦しんだものの、徐々に良さを見せ始めると、昨年末あたりから試合のたびに安定感を発揮するようになり、今ではアンカーとしてユルゲン・クロップ監督にとっての不可欠な存在へと昇り詰めた。

ハードスケジュールを強いられている「レッズ」において、ほとんど休みなしでもそのパフォーマンスが落ちることがない背番号3には、ほぼ毎試合で現地メディアから高評価を与えられ、辛口で知られるコメンテーターからも賛辞を贈られている。

1980~90年代にかけてアーセナルで活躍した元イングランド代表FWのポール・マーソンは、スポーツ専門サイト『sportskeeda』において「遠藤は、私が本当に感銘を受けた選手であり、リバプールは何という素晴らしい契約をしたのだろう! クロップ監督が補強に関して間違いを犯すことはほとんどない」と語った。
同じくイングランド代表歴を持つマイカ・リチャーズは、ハーベイ・エリオットともに遠藤をMFの最重要選手であるとして、「彼の貢献ぶりは、リバプールが昨夏の移籍市場でチャンスを逃したように見えたことを考えると、極めて重要なことだった。彼はファンや専門家からの疑念にもかかわらず、チームにとって重要な存在であることを証明し、プレミアリーグでの成功に大きく貢献した」と絶賛している。

この元マンチェスター・シティのDFが語ったように、リバプールは昨夏にブライトンからモイセス・カイセドを獲得しようと1億1000万ポンド(約209億円)の入札を行なうも、エクアドル代表選手本人の意向によってチェルシーに敗れ去り、ナンバーワン候補から30歳を超えたブンデスリーガの日本人選手に乗り換えたことで、多くの批判を受けたものである。

リバプールのクラブ専門サイト『THIS IS ANFIELD』は、しかし「クロップ監督はわずか1600万ポンド(約30億円)を支払っただけで、今季、レッズが4つのタイトル獲得を目指す上で、キーマンとなる選手を獲得できた」と記述。そして、カイセドを引き合いに出す形で、「遠藤、君は最高の取引相手だ。夏の移籍市場で、リバプールとチェルシーのどちらが、最も価値のある補強をしたのか、我々は明らかに知っている」と賛辞を贈った。 また、サッカー専門サイト『TBR』は、「一部の人々が想像している以上に成長しており、このところリバプールで重要な役割を果たしている」という遠藤の貢献ぶりを、具体的な数値で評価。今季、プレミアリーグで20試合に出場した時点で、彼の1試合の平均獲得勝点は「2.45」と、同リーグ最高のMFといわれるマンCのロドリ(2.52)に次いでリーグ2番目の数字を記録したという。

同メディアは、「この31歳の日本代表キャプテンがリバプールで非常に好調であることは、決して驚くべきことではない。すでに彼は、ブンデスリーガでも高い評価を得ており、クロップ監督も彼の活躍に驚くことはなかっただろう」と綴るとともに、現在の遠藤が過小評価されていると指摘している。

『Football365』は、「プレミアリーグで予想を大きく覆した選手トップ10」という企画記事において、遠藤を7位に選出。「今季、彼はエクアドル人選手(カイセド)よりも優れていたと主張することもできるだろう。遠藤は間違いなく、リバプールが支払った移籍金に見合った価値がある。余裕をもってボールを扱い、崩しのプレーにも優れたMFは、リバプールにとっては素晴らしい“クーデター”となった」と、ランクインの理由を明かした。
遠藤の目を見張る活躍には、国外のメディアも注目しており、フランスのサッカー専門サイト『FOOTMERCATO』は、「昨夏に彼がアンフィールドに到着すると、サポーターの大多数は、彼が高齢であることを考え、なぜクラブが契約したのか疑問に思ったものだ。しかしひとつ確かなのは、加入から数か月経った今、この日本の戦士に無関心なレッズファンを見つけるのは難しいということだ」と綴っている。

さらに、「31歳の遠藤はリバプールの“お守り”であり、チームが今季、プレミアリーグで落とした2試合で、いずれも彼が欠場していたことからも、それが証明されている。彼の強みは、その積極性と戦術的知識だ」と続け、最後に以下のように伝えた。

「イングランドのメディアは口を揃えて、彼が昨夏の移籍市場で最も優れた選手であると主張している。今季、すでにカラバオカップを制したリバプールが、まだ優勝の可能性を残しているプレミアリーグとヨーロッパリーグでも同じ道を歩めるかは、遠藤にかかっている」

構成●THE DIGEST編集部

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