和倉温泉総湯26日再開 断水解消、復興へ一歩

断水解消で26日から営業を再開する総湯=七尾市和倉温泉

 能登半島地震後に休業が続いていた七尾市和倉温泉の総湯が26日、営業を再開する。震災後、一時は届かなくなっていた源泉が戻り、断水も解消したことで復活のめどが立った。各旅館でも源泉や水道が通る配管の修繕を急いでおり、石川を代表する湯のまちが一歩ずつ復興の道を歩んでいる。

 総湯は当面、午前10時~午後4時の時短営業となる。温泉を引き込む配水管の損傷が激しい男湯の露天風呂と足湯は再開を見送った。料金は通常通り大人460円、小学生130円。

 和倉温泉では震災後、四つの源泉が各旅館に届かい状況となった。1月16日にくみ上げポンプから約90度の湯が出ることが確認されたが、総湯や旅館に源泉を引く配管が損傷しており、総湯に温泉が戻ったのは2月中旬だった。

 その後、総湯を運営管理する「和倉温泉合資会社」が湯船の温泉を毎日入れ替え、配管に詰まった泥の除去と温度の調整を進めてきた。今月16日に断水が解消し、浴室内のシャワーなどが正常に使えるようになったことから再開を決めた。

 和倉地区コミュニティセンターで避難生活を送る清水歌子さん(72)=石崎町=は総湯に幼少期から通っているといい「なじみのある温泉で疲れを癒やしたい」と再開を喜んだ。

 和倉温泉でも、現在も全ての旅館・ホテルが休業を余儀なくされており、和倉温泉合資会社の小泉孝史社長(74)は「和倉の人たちにまずは入ってもらい、和倉復活の大きな一歩にしたい」と期待を込めた。

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