新芽つややか一番茶 種子島で日本一早い摘み取り始まる

新緑の新芽を機械で摘み取る農家=18日、西之表市古田

 鹿児島県の種子島の茶どころとして知られる西之表市古田で18日、一番茶の摘み取りが始まった。露地栽培では日本一早い収穫とされ、例年に比べて1週間ほど、昨年より2日前倒しとなった。暖冬の影響とみられる。新芽が摘まれた畑からは、みずみずしい香りが漂った。

 今季は冬の暖かさで茶葉の成長が早まった一方、3月初旬の冷え込みで甘みと香りが増したという。約5ヘクタールの茶畑を持つ田上健二さん(55)は「緑茶離れと言われて久しい。おいしいお茶を若い人たちにも飲んでもらえれば」と期待した。

 古田地区は島内でも寒暖の差が大きく、適地とされる。明治期に静岡から移住した農家が栽培を始めた。加工場で荒茶にして、鹿児島市南栄3丁目の県茶市場と静岡の市場に送られる。

 収穫は「秋冬(しゅうとう)番」と呼ばれる5回目が終わるまで、10月いっぱい続く。

摘み取った新茶をトラックに載せる農家=18日、西之表市古田
〈別カット〉新緑の新芽を機械で摘み取る農家=18日、西之表市古田

© 株式会社南日本新聞社