はしか感染者増加…感染力が非常に強く、マスクの効果も薄い 国も注意呼びかけ 予防策は…

現在、厚労省が全国的に注意を呼び掛けているのが、「はしか」。39℃以上の高熱や発疹の症状が現れ、1000人に1人は死亡すると言われている感染症です。

はしか感染者が増加

2019年には700人以上が感染しましたが、コロナ禍で海外との行き来が減るなどし、ここ数年は感染者数が減少していました。ところが今年はこれまでに、国内で12人の感染がすでに報告され、去年1年間で確認された感染者数の半数に迫る勢いとなっているのです。

直近では、11日に都内で5歳未満の男の子の感染が確認。感染経路はわかっていませんが、男の子は海外への渡航歴があり、発症する前日には都内の飲食店を利用していたということです。

また、2月には、中東のアラブ首長国連邦から関西国際空港に到着した国際線の乗客8人の感染も確認されています。

静岡県内でもはしかの感染者は過去5年間で15人が確認され、去年は2人の感染が確認されています。

感染力が非常に強く、マスクの効果も薄い

感染拡大を続ける「はしか」にはどんな特徴があるのでしょうか。静岡市内の医師は…。

岩はし内科 岩橋昌雄院長:「感染力が非常に強い。あと感染の仕方は空気感染がメーンになっている。狭い空間で密に接していればいるほど、どうしても感染しやすくなる。マスクをすることによってもある程度防ぐことができるが、どうしても効果は薄いと思われる」

はしかの最大の危険性が非常に強い“感染力”。岩橋院長によると、空気感染のため、会話をせず同じ空間にいるだけでも感染の可能性があるといいます。

有効なのはワクチン

手洗いやうがいだけでは予防が難しいとされるなか、有効なのは…。

岩はし内科 岩橋昌雄院長:「ワクチンは有効だと思う。若い方は2回、1歳児と就学前に受けることになっているが、もう少し高齢の方で1回しか打ったことがないような方もいると思う。そういう方は追加接種を受けることをおすすめする」

はしかのワクチン接種は、2006年から就学前までに定期接種を2回行うという制度が始まっていますが、それ以前は定期接種の回数は1回となっていました。

ただ、この幼少期の接種についても、年月を重ねると…。

岩はし内科 岩橋昌雄院長:「2回(ワクチンを)打ったとしても、何十年も経っているとだんだん効果が薄れるということはあり得る。特に基礎疾患があるような方は、病院に行って抗体を調べて、低いようならば追加接種を考えた方がよいのではないか」

街の人は「接種したか覚えていない」

はしかに対する予防策として最も有効とされているワクチン接種。ただ、街の人に自身の接種状況について聞いてみると…。

静岡市民 60代:「うーん…、覚えていない。多分1回か、わからないが。年をとってくると重症化してくるかもしれないので調べてみようと思う」

菊川市民 50代:「子どもは打ったかな? 多分義務みたいな形だと打ったかもしれない。私は打っていない。全然打っていない。何も病院とかで言われるわけではないので、あまり気にはしてない。本当は気にしないといけないが、今はよくわからない」

ワクチンの接種歴は母子手帳などで確認できますが、街の多くの人は、自分のワクチン接種をほとんど覚えていませんでした。

最悪の場合、死に至る可能性もある「はしか」。厚労省は「はしかのワクチンを受けていることが予防に最も有効」として接種を呼び掛けています。

© 静岡朝日テレビ