書道歴90年の96歳青山さん、研さんの集大成 生まれ育った豊後高田市香々地で初個展【大分県】

地元で初めての個展を開いている青山映信さん=豊後高田市の県信用組合香々地支店

 【豊後高田】豊後高田市夷の実相院住職、青山映信さん(96)の書道作品展が、市内香々地の県信用組合香々地支店で開かれている。生まれ育った香々地地区での個展は初めて。90年に及ぶ研さんの集大成を見ることができる。29日まで。

 青山さんは書家だった伯父の影響で書道を始め、大分師範学校(現大分大教育学部)で本格的に書を学んだ。小中学校の教諭時代は多くの子どもを指導。県書道教育研究会(県習字)や県書写書道教育研究協議会(県書協)の会長を歴任し、県内の書道の底上げに尽力した。手がけた書や碑文は市内の公民館や学校、県議会などに寄贈されている。号は桂翠。

 展覧会は地元で長年活躍する青山さんの作品を紹介する機会を設けようと、同支店の声かけで実現した。

 1990年代から近作まで25点を展示。中国の古典「千字文」を楷書、行書、草書それぞれの書体で書き上げた作品や、天台宗の経典を書き写した作品、最澄の言葉「一隅を照らす」などが並ぶ。

 現在も仏事をしながら、ほぼ毎日、書の練習を欠かさない。基本に忠実な正統派の文字は親しみやすく、住民の要望に応えて、地域のイベントなどの揮毫(きごう)なども引き受ける。

 青山さんは「これまでの歩みと、今でも元気に頑張っている姿を見てほしい」と話している。

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