電子マネーカード手に通話する男性…「どういう料金?」電話代わり犯人詰問、詐欺被害防ぐ 兵庫県警須磨署が感謝状

高齢男性の特殊詐欺被害を防いだ状況を振り返る会社員の西松孝平さん=須磨警察署

 高齢男性を詐欺の被害から守ったとして、兵庫県警須磨署は、会社員の西松孝平さん(43)に感謝状を贈った。

 署などによると、2月12日午後2時ごろ、西松さんがコンビニ店へ向かう途中、路上で数枚の電子マネーカードを手に電話する60代男性を見かけた。

 約5分後、買い物を終えて店を出ると、男性は通話したまま、カードの利用番号を伝えていた。西松さんは「(利用)番号を知られたらまずい」と、男性のスマートフォンを借りて「親族の者だが、うちの人に何かありました?」「どういう経緯で料金が発生したのか」などと問い詰めた。

 電話口では若い男の声がしたという。西松さんは男性を車に乗せ、署へ送り届けた。署によると、男性は電話料金が未払いとして金銭を要求されていた。

 西松さんは「平和なまちでも、どこに何が潜むか分からない。詐欺に限らず、子どもたちが事件に巻き込まれないよう、積極的に声をかけたい」。藤猪史郎署長は「地域防犯のかがみ」とたたえた。(千葉翔大)

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