沖縄県出身の3人組ロックバンド「奢る舞けん茜（しゃるまいけんあかね）」が3月10日に新アルバム「ACRYL MAP」をリリースした。メンバーが脱退し、3人体制になったこの2年間の集大成となった今作。世界各国をイメージして一曲一曲を制作し「音楽で世界旅行」がコンセプトだ。昨年末には台湾のフェスにも出演した奢る舞けん茜。今作に込めた思いや制作の背景などをメンバー3人に聞いた。（ライター・長濱良起）
奢る舞けん茜（しゃるまいけんあかね）
Gu.Vo とや、Ba.Cho まつどー、Dr.Cho いじゅからなる3ピースバンド。2011年に中学の同級生で結成。県内外のライブ・フェス出演、テレビ・ラジオとのタイアップなど精力的に活動を展開している。 公式ウェブサイト
－新アルバム「ACRYL MAP」はどのようなコンセプトで作られたのでしょうか？
とや「コロナ禍で外に出られず退屈だったので、Googleのストリートビューで、世界各国を疑似旅行していたんですよ。ウィーンやパリなどいろんな街に行きました。『次にアルバムを出したら、ここでこんな曲をやりたいな』というふうに逆算して曲を作っていきました」
－例えばどの曲がどの街のイメージなんですか？
とや「1曲目の『GATE』は、ウィーン国際空港です。メンバーが4人から3人になって最初にできた曲だったんですよ。門出のイメージもあるのでこの曲名にしました。台湾をイメージした7曲目の『ryugu』は音階を台湾っぽくし、イギリスをイメージした8曲目の『White Days』はUKロックっぽいサウンドを意識しています」
－10曲目の「Open the Heaven」は、歌詞がないエレクトロっぽいアプローチが新鮮です。
とや「世界各地に行って、最後は宇宙に行っちゃった、というストーリーです。NASA（アメリカ航空宇宙局）の通信の音をサンプリングして曲の素材にしています。バンドとしていつかはエレクトロをやりたいという思いが高校生の時からありました。次回作からは、こうした近未来感のあるサウンドも詰めていきたいと思っています」
－2020年リリースのミニアルバム「π=4」と今作で大きく違う点を教えてください。
とや「前作はライブ感を重視しましたが、今作はライブで完全に再現できないだろうという表現もあえてやっています。『耳で見る映画』ぐらいの情報量にしようと思って、いろんな音を入れています」
－皆さんの音楽的なルーツはどこにありますか？
とや「僕は最初『BUMP OF CHICKEN』から入りました。それから『ナンバーガール』『ゆらゆら帝国』といった日本の2000年代のバンドを聴くようになって、そこから『Oasis』とかUKのバンドを聴くようになりました」
まつどー「僕は、小学校4年の時に母のガラケーに入っていた『マキシマム ザ ホルモン』です。多分兄が入れたんだと思うんですけど。それがバンドの音に意識的に触れ始めるきっかけになりました」
いじゅ「小学校高学年の時なんですけど、おやじがカセットやCDをたくさん持ってたんで、それを、曲名も分からないままたくさん聴いていました。今考えるとオルタナティブロックやミクスチャーが多かったと思います。当時は体を使って外で遊ぶのが好きだったんですけど『動かないで止まっていても、耳だけで楽しいことってあるんだ』っていうことに衝撃を受けました」
－2023年12月には台湾・高雄のフェスにも出演されました。手応えはいかがでしたか？
とや「良い感じでした。熱を出してしまって喉も腫れてピンチだったんですけど、台湾ビールを飲んだら腫れが引きました」
まつどー「アルコールが喉に効いたんですかね」
－3月22日には那覇市内でワンマンライブも予定しています。
とや「6年ぶりで、なおかつ3人になって初めてのワンマンライブです。シンセサイザーが入ったり、ゲストに『こころとことば』の心花ちゃんとシンバを迎えたりと、いろんな方面から作り上げるライブになると思います。新たなチャレンジも多いので楽しみです」
ニューアルバム『ACRYL MAP』リリースワンマンライブ
会場:Output沖縄
日時:2024年3月22日（金）開場 18:30/開演 19:00
料金:前売り2000円 当日2500円(ドリンク代別）
プレイガイド:イープラスWEB/ローソンチケットWEB/チケットぴあWEB
問い合わせ:ピーエムエージェンシー、電話098-898-1331（平日11:00～15:00）
Output沖縄（outputop@gmail.com/電話098-943-7031）
