今年末の戦略石油備蓄、大規模放出前の水準以上に=米エネルギー長官

Arathy Somasekhar

[ヒューストン 18日 ロイター] - グランホルム米エネルギー長官は18日、ヒューストンで開かれたエネルギー業界の国際会議「CERAウィーク」で今年末時点の戦略石油備蓄(SPR)について、2年前に1億8000万バレルを放出した際よりも前の水準以上になるとの見通しを示した。

バイデン米政権は2022年3月、ロシアのウクライナ侵攻を受けて高騰した石油価格を引き下げるため、SPRから1億8000万バレルを6カ月にわたって放出すると発表。その後はSPRを積み増している。

米エネルギー省は1億8000万バレル放出以降、今年末までに積み増す石油量を約4000万バレルと想定している。一方で2024年から27年にかけて放出される予定だった1億4000万バレルが、議会が義務付けた放出の取りやめによってSPR内にとどまる。

エネルギー省は今年末時点の最終的なSPRの石油在庫水準を示さなかった。

SPRには現在、約3億6200万バレルの石油が備蓄されている。22年3月の大規模放出発表前は5億6500万バレルとなっていた。

グランホルム氏は、議会が義務付けた他の放出も取りやめになるかもしれないと指摘。SPRの積み増しは議会の優先事項であり、「それについて議会と対話する」と語った。

さらに同氏は、SPRの一部貯蔵施設で保守作業が完了したことで、政府が石油を追加購入できるようになると説明した。エネルギー当局者が米石油価格の上昇とSPR補充への影響を精査しており、エネルギー省は1バレル当たり79ドル未満での買い入れを目指しているという。

液化天然ガス(LNG)輸出の新規許可を凍結している措置については「来年の今ごろには過去にものになっている」と述べ、1年以内に解除されるとの見通しを示した。

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