中学校男性教諭と小学校男性教諭2人を懲戒処分 鹿児島県教委 紛失した部費の不正補てん、不適切発言や体罰で

 鹿児島県教育委員会は19日、紛失した部活動費をPTA費で不正に穴埋めしたとして鹿児島地区の中学校男性教諭(28)を停職3カ月の懲戒処分とした。このほか、体罰を繰り返した同地区の小学校男性教諭(64)を減給1カ月(給料月額と教職調整額の10分の1)、同地区の小学校男性教諭(48)を不適切発言と体罰で戒告処分とした。

 県教委によると、中学校教諭は2022年1月、部活動で使う物品の購入費2万8920円を、部費を管理する保護者から受け取ったが紛失。うその申請をしてPTA会計の担当職員から同額を受け取り、物品購入に充てた。同年4月にも部費4万6600円をなくし、同様の不正を行った。

 23年7月、不審に思った保護者から相談を受けた学校が部費とPTA会費の会計を調べ、発覚した。教諭は「自分で穴埋めできればと思ったが、お金がなく、できなかった」と説明しており、着服は確認されていないという。教諭は3月19日付で依願退職した。全額が弁済されていることから、県教委は刑事告訴しない方針。

 減給処分となった小学校教諭は、23年6月から10月にかけて、同じ児童の背中や頭頂部を少なくとも10回、拳でたたいた。児童にけがはなかった。戒告処分の小学校教諭は23年3月、児童1人に不適切な発言をし、手首をつねって傷を負わせた。

 県教委の23年度の懲戒処分は計9件。教職員課の中島靖治課長は「教育者という高い倫理観を求められる立場を自覚させ、指導を徹底していきたい」とコメントした。

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