EU、ロシア産穀物に輸入関税の準備 影響薄との見方も

[ブリュッセル 19日 ロイター] - 欧州連合(EU)がロシアとベラルーシから輸入する穀物に関税を課す準備をしていることが19日、関係筋の話で分かった。

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、EUの執行機関である欧州委員会がロシアとベラルーシからの穀物に対し1トン当たり95ユーロ(103.26ドル)の関税かけるほか、植物油の原料となる油糧種子などに50%の関税をかける方針を提案すると報道。

これについてEU当局者は、最終決定はされていないものの、報道された数字は「ほぼ正確」だと指摘。別の関係筋は、EU加盟国の全会一致が必要な制裁導入ではなく過半数の支持で決定できる関税という形で導入される可能性が高いと述べた。関税はEU加盟27カ国で使用される穀物のみに適用され、EU域内から域外に輸送される穀物には適用されないという。

ただ貿易関係筋は、EU域内へのロシアとベラルーシ産の穀物の出荷量は少ないため、関税が適用されても「象徴的なもの」にすぎないと指摘。ロシアに特化した農業市場調査会社ソベコンも、穀物貿易と価格への影響はほとんどないとの見方を示している。

ウクライナはEUによるロシア産の食料の輸入全面禁止を求めているが、ウクライナ関係筋も、欧州での価格に影響を及ぼすほどロシア産穀物の量は多くないと指摘している。

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