JA全農とちぎ、生産者に出荷代金未払い はが野管内、入力ミスで600人に影響

今月本格稼働したJA全農とちぎの青果物広域集出荷センター=真岡市石島

 JA全農とちぎが真岡市石島で1日に本格稼働した、県内5JAの青果物の集出荷などを担う青果物広域集出荷センターで、イチゴなどを現在、唯一出荷しているJAはが野管内の生産者に対し、代金の支払いが滞っていることが19日、関係者への取材で分かった。出荷時のデータの入力ミスが原因とされる。影響を受ける農家は約600人。全農とちぎは現在、支払金額などを精査中で、支払時期は未定としている。

 全農とちぎによると、同センターでは、生産者が出荷した青果物の量や大きさなどを検査し、タブレット端末に手入力している。その後、青果物は都内の市場などへ出荷される。

 今月上旬、入力されたデータと、生産者が出荷時に伝票に書いた量などが合致していないことが判明したという。データを入力する人が端末操作に慣れていなかったことや、検査した人とは別の人が入力し誤ったケースもあり、全農とちぎは「指導が行き届いていなかった」としている。

 生産者には通常、JAを通じて出荷から1週間ほどで支払われるが、現在、全農とちぎが伝票などを基に支払額を確認中のため、未払いが続いているという。

 同センターに出荷されたのは同JA管内で生産された青果物のみ。イチゴ、ナス、ニラ、シュンギク、イトミツバの5品目で、大半はイチゴが占める。

 全農とちぎは金額が確定した出荷分から順次支払っていく方針を示し、「早期の支払いに向けはが野と協議中」としている。生産者の男性は「こちらにも生活がある。確認が終わった分は入金できるはず。早く入金してほしい」と訴えた。

 センターでは現在も集出荷が続く。全農とちぎは検査する人を増員し、伝票と照らし合わせながら確認しているといい、「ミスが出ないよう細心の注意を払っている」と説明した。

 同センターは他に、しおのや、うつのみや、かみつが、おやまの4JAが共同利用する。

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