「体が続く限りいつまでも」 大田原・尺八クラブが10周年 平均88歳、節目祝い演奏会

発足10周年を記念し演奏を披露した尺八クラブのメンバーら

 【大田原】高齢者らが集う「川西高齢者ほほえみセンター」(黒羽向町)尺八クラブは発足10周年を記念し14日、地元高齢者施設で演奏会を開いた。メンバーの女性6人は平均88歳で尺八が元気の源。「よくやってきたわね」と感慨を深め「いつまでできるかな。体が続く限り続けたい」と口をそろえた。

 クラブは2014年2月、身近に尺八の指導者がいたことから発足。初めは懸命に吹いても音が出なかった。1回2時間の練習は月3回。腕前が少しずつ上がって、皆で奏でられるようになるまで何カ月もかかったという。

 持ち曲は100曲余りに増え、これまでに約10回、施設などで演奏してきた。新型コロナウイルス禍で約2年間、活動が制限されたた分、再開できた時の喜びはひとしおだった。

 最高齢94歳、最若手84歳のメンバーは大豆田の高齢者施設「こころ黒羽」で10周年の演奏会に臨んだ。

 得意の「水戸黄門」のテーマ曲、叙情歌「荒城の月」、昭和歌謡、童謡の約10曲を披露。アンコールにも応えた。施設利用者は手拍子を打ったり、歌詞を口ずさんだりして楽しんだ。

 演奏を終えた黒羽向町、松浦明恵(まつうらあきえ)さん(90)は「うまく吹けないところもあったが、楽しかった」。同所、高山恒子(たかやまつねこ)さん(84)は「練習の成果が出たかな。できるだけ続けたい」と話した。メンバーは歩みをかみしめ「皆でやってきたから続けられた」と振り返った。

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