【早出し】県民に元気と希望 山新3P賞、表彰式と特別講演会

山新3P賞を受ける大神雄子さんと(後方左から)高内耕介会長、桂木宣均社長=山形市・山形グランドホテル

 山形新聞、山形放送が提唱し、地域の平和(ピース)繁栄(プロスペリティー)進歩(プログレス)に尽力した個人や団体を顕彰する第67回「山新3P賞」の表彰式が19日、山形市の山形グランドホテルで行われた。平和賞のバスケットボール女子Wリーグ・トヨタ自動車ヘッドコーチ大神雄子さん(山形市出身)、繁栄賞の日本地下水開発(同市、桂木宣均社長)、進歩賞を受けたプロ野球・阪神の内野手中野拓夢さん(天童市出身、日大山形高出)の功績をたたえた。

 大神さんは女子日本代表の主将を務め、昨年に日本人3人目となる国際バスケットボール連盟(FIBA)の殿堂入りを果たした。2004年アテネ五輪にチーム最年少で出場し、08年に日本人2人目のWNBA選手に。10年の世界選手権で得点王を獲得した。

 日本地下水開発は、地下水の熱を冷暖房に使用する「帯水層蓄熱冷暖房システム」を開発。環境負荷低減や省エネ性などが高い評価を受け、経済産業、環境両大臣表彰などを受けた。通年利用ができるように進化させたことで、あらためて全国から注目されている。

 中野さんは昨年、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表として世界一の一員となった。阪神では18年ぶりのリーグ優勝と38年ぶりの日本一に貢献。最多安打(164本)、ゴールデングラブ賞を獲得し、今季のプレーに注目が集まる。

 表彰式では、主催者を代表して寒河江浩二山形新聞会長・主筆(山形新聞グループ経営会議議長)が「各分野の第一線で活躍し、県民に元気と希望を与えてくれた。さらなる活躍を期待する」と激励し、大神さんと桂木社長に表彰状と副賞100万円を手渡した。板垣正義山形放送社長が峯田義郎東北芸術工科大名誉教授(山形市出身)制作のブロンズ像を贈った。中野さんはキャンプのため欠席し、代理の高内耕介山形リトルシニア会長に伝達した。

 「皆さまのさらなる飛躍が県民に希望を与え、本県の魅力や価値を高める原動力になると確信している」との吉村美栄子知事のメッセージが紹介され、高倉正則山形市副市長が佐藤孝弘市長のメッセージを代読した。山本信治天童市長が祝辞を述べた。受賞者を代表し、桂木社長が「山形にルーツを持つ私どもにとってこの上ない名誉。県民に勇気と元気、活力、希望、夢を届けられるように頑張っていく」と謝辞を述べた。

 表彰式に続く特別講演会では、大神さんが海外挑戦を通してあらためて気づいたことを紹介した。桂木社長はこれまでの取り組みや再生可能「熱」エネルギーの重要性を語った。中野さんがビデオメッセージで受賞の喜びを語った後、指導した高内会長が夢を持って努力を続けることの大切さを説いた。

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