春分の日でも冬の寒さ 4年ぶりに春告げる彼岸獅子 津波被災地で墓参り 福島

20日の「春分の日」は暦の上では春の始まりですが、福島県内は冬のような寒さとなりました。そうした中、福島県会津美里町では春を告げる彼岸獅子が4年ぶりに披露されました。

「彼岸の中日」の20日、会津美里町では冬のような寒さとなるなか、春を告げる伝統の「西勝(さいかつ)彼岸獅子」が披露されました。

3匹の獅子が舞を披露しながら地区の家々を回って、死者の霊を弔い、五穀豊穣や家内安全を祈願する伝統行事で、町の無形民俗文化財にも指定されています。新型コロナの影響で4年ぶりとなりました。

西勝地区の住民「コロナでできなかったしね、だから待ってましたよ!」

西勝地区の住民「昔から見ていますので、この季節の春を迎える行事として、うれしい感じですよね」

一方、こちらは震災の津波で120人以上が亡くなったいわき市平薄磯地区の「修徳院(しゅとくいん)」です。

朝早くから多くの家族連れなどが墓参りに訪れ、花や線香を手向けて静かに手を合わせ、先祖の霊を慰めていました。

津波で父と祖母を亡くした人「相変わらず元気にしているよ、と。自分の後悔と無念さも思いつつ、この3月はずっと入り混じった感情なので。そのことをお墓の前で思いながら…」

20日の福島県内は季節が逆戻りしたような寒さとなりました。

植野天斗記者「福島駅前は日差しが出ておらず、吹きつける風のせいか指先がひりひりとするような寒さです」

福島市の最高気温は2月上旬並みの6.6度。その他の多くの所でも2月上旬から3月上旬並みの寒さとなりました。JR福島駅前ではマフラーや手袋をつけて通勤する人たちの姿がみられました。

会社員「春はまだ感じない。寒い。もう少し暖かくならないと」

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