デュラントは“過小評価”なのか?肯定派のKGに対して否定派のピアースは「レブロンと同じレベルで責任は負わせていない」<DUNKSHOOT>

今季のフェニックス・サンズはケビン・デュラント、デビン・ブッカー、ブラッドリー・ビールとリーグ屈指の攻撃的トリオを擁しながら、ウエスタン・カンファレンス8位(39勝29敗)に甘んじている。35歳のデュラントはエースとしてチームを牽引しているが、殿堂入り選手のポール・ピアースとケビン・ガーネット(KG)の評価は大きく分かれている。

2022-23シーズン途中にブルックリン・ネッツからトレードを志願してサンズへ移籍したデュラント。今季はこれまでチームのエースだったブッカーに加え、ワシントン・ウィザーズから実力派スコアラーのビールを獲得し、リーグ優勝への期待も高まった。

しかし、ビールやブッカーの故障離脱もあり、デュラントがリーグ4位の平均27.8点と奮闘して何とかウエスト8位につけているのが現状だ。現役時代にボストン・セルティックスで優勝を経験したピアースとKGは、自分たちがホストを務めるポッドキャスト番組『Ticket and The Truth』で「KD(デュラント)は過小評価されているか」というテーマで議論を繰り広げた。
デュラントは今季、35歳にしてリーグで5位の平均37.3分に出場。これには、KGも「(35歳の彼には)キツすぎるだろ」と思わず声を上げた。しかし、ピアースは「KDは歴史上最も偉大なスコアラーの1人であり、ゴールデンステイト(ウォリアーズ)にいた時、俺はブロン(レブロン・ジェームズ/ロサンゼルス・レイカーズ)を超えてリーグのベストプレーヤーだと評価していた。それだけに、俺のKDへの期待値はもっと高い」と指摘した。

「KDはゴールデンステイトに(2017、18年と)チャンピオンシップをもたらした。でも、ゴールデンステイトを離れてからは優勝候補のチームにはいない。フェニックスは(デュラント、ブッカー、ビールの)全員爆発力があって、信じられないトリオになると思われた。シーズン前には、フェニックスはNBAファイナルに行くだろうと予想していた。でも、レギュラーシーズン残り15試合を切って、(ウエストの)第7、8シードを争っているレベル。プレーイン・トーナメント進出枠に甘んじている」

ピアースの主張を聞いたKGは、「ブルックリンではジェームズ・ハーデン(現ロサンゼルス・クリッパーズ)とカイリー・アービング(現ダラス・マーベリックス)がいて、その後ハーデンが去り、最後はKDだけになった。彼にプレッシャーをかけるのは酷だ。チームの中で、彼は自分の役割を果たしている。それは、フェニックスでも同じだ」と反論した。
それに対し、ピアースが「でも、我々がブロンにしているのと同じレベルで責任は負わせていないと思う。ブロンがいいプレーをしていなかったり、レイカーズがいいプレーをしていなければ、彼やチームを非難する。でも、KDにはそんなことはしない」と言い返した。

するとKGは、デュラントがウォリアーズを離れてタイトルを獲得できていないのは、常にケガをしているからで、今季ブッカー、ビールとのビッグ3が一緒にプレーしたのは(68試合中)25試合のみで、サンズには本職のポイントガードがいないことも影響していると述べた。

「KDは自分の役割を果たしている。本当に何も言うことはない。スタッツは素晴らしいよ。役割を果たしていないとは決して言えない。たった20数試合しか一緒にプレーしていないのに、何も評価はできない。あのチームにはポイントガードがいない。大きな問題だ」

デュラント、ブッカー(平均27.2点/リーグ7位)、ビール(平均18.8点)を擁する陣容で結果を残せないとなれば、批判は避けられない状況になるかもしれない。百戦錬磨のデュラントのリーダーシップにも注目が集まる。

構成●ダンクシュート編集部

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