ポルトガルサッカー連盟(FPF)とキットサプライヤーのNikeは18日、UEFA欧州選手権(EURO2024)に向けたポルトガル代表の新ユニフォームを発表した。
ポルトガルは2025年よりPumaとの新たなサプライヤー契約締結が噂されており、それが事実であれば、このEURO2024モデルが1997年に始まったNikeとのパートナーシップ最後のユニフォームとなる可能性が高い。
Portugal 2024 Nike Home
ポルトガル代表 2024 Nike ホーム ユニフォーム
2024新ホームユニフォームは、レッドを基調にグリーンを組み合せたポルトガル伝統のスタイルを継承。だが、今回はその2色にダークブルーを組み合せているのが特徴的だ。このブルーはNikeの色名では“ピッチブルー”で、極めてブラックに近い。
2024モデルのテーマはポルトガル国旗で、キットカラーは3色とも国旗に使われているもの。色味は少し異なるが、襟と袖のピッチブルーは国旗と国章の“5つの青い盾”のイメージかもしれない。
脇に差し込むように配した逆三角形状のパネルは、偶然かもしれないが2002年の日韓ワールドカップなどで使用した懐かしいユニフォームを思い出させる。
キットカラーは国旗だけではなく、ポルトガルの豊かなサッカーの歴史と、インスピレーションを与えてきた国の文化的創造性をも表現。襟の内側にはスタイリッシュなフォントで“PORTUGAL”をデザインする。
パンツはグリーン、ソックスはレッドの組み合わせとなるようだ。
21日にホームで行われるスウェーデンとの親善試合で、おそらくこのホームユニフォームがデビューとなる。
そして同時に発表されたアウェイユニフォームは、ポルトガルの建築芸術や伝統的なタイルに触発された美しいデザインが登場した。
Portugal 2024 Nike Away
ポルトガル代表 2024 Nike アウェイ ユニフォーム
新アウェイユニフォームは、ポルトガルの伝統的な建築芸術に使われているタイルにインスピレーションを得た美しいデザイン。ホワイトとブルーをメインにネイビーを組み合せる。
ポルトガルのユニフォームにこのようなグラフィックが使われるのは史上初めて。歴代でも異色のデザインとなった。
モチーフとなったタイルは、おそらくアズレージョ(またはアスレホ)と呼ばれる青いセラミックタイルだと思われる。これはイスラム文化の影響を受けたもので、中世の時代からアズレージョを建物の壁面装飾などに用いてきた。
アズレージョの語源はポルトガル語で「青」を意味する“Azul”のようだが、さらに遡ればその原点は青い石のラピスラズリにあるようだ。ちなみに、ポルトガルでは色に関係なく装飾タイルはアズレージョと呼ばれるらしい。
この美しいタイル柄をアウェイユニフォームに採用した理由は、敵地へ遠征する選手・チームやサポーターに、国を象徴するデザインで寄り添うという趣旨のようだ。
現時点ではおそらくNike最後のユニフォームとなりそうな予感の2024モデルだが、ここで歴代屈指ともいえる渾身の一着が登場した。新ユニフォームはホーム・アウェイのどちらも「ポルトガル×Nike」の集大成といったところだろうか。
欧州選手権は8大会連続9回目の出場となるポルトガル。ドイツを舞台に行われるEURO2024ではグループFに所属し、トルコ、チェコ、そして3月26日に決定するプレーオフ勝者(ジョージア、ルクセンブルク、ギリシャ、カザフスタンのいずれか)と対戦する。