【GXビジネス】挑戦の質を高める経営革新計画③ サンケン(玖珠町)【大分県】 除草に使う高圧温水装置を除菌に転用

「高圧温水装置」での除草と砂場の除菌事業に力を入れるサンケンの藤原康博専務取締役(右)と雄二代表取締役社長

 自社商品を本来の使用方法とは異なる用途で試す事で、新たな活用法を見いだすケースがある。除草用の装置を子どもが使う“ある場所”の除菌に転用した会社の事例を紹介する。

 土木資材の販売や宅配事業を手がけるサンケン(大分県玖珠町山田)は2年ほど前から「高圧温水装置」を使った除草事業を始めた。高温の蒸気を98度の熱湯にして散布する。雑草は根から弱っていき、3日ほどで枯れてくる。化学薬品でなく水道水を使うため、環境に優しい。砂利などのため草刈り機で刈りにくい場所でも使用できる。雑草の種類にもよるが、1回の除草で3~4カ月ほど草刈りの必要がなくなるという。

 この高圧温水装置を、こども園などの砂場の除菌に応用している。1分間に約8リットルの熱湯を噴射できる。20平方メートルほどの砂場では、作業員2人が2時間ほどかけて作業をする。

 砂場を掘り起こして熱湯をかけると、汚れが浮き上がってくる。汚れを取り除いて砂を混ぜ、再度、熱湯をかけるというやり方だ。調査機関による抗菌性試験では、大腸菌などの細菌が死滅し、ほとんど残っていなかったという。

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