【狭い場所でのガーデニング】小さなスペースを無駄なく利用するアイデアとは?

都心部や近郊では広い敷地はなかなか望めません。しかし、狭いからといって、よい庭がつくれないということはありません。植栽スペースをきちんと把握し、わが家の住まいにマッチしたコンパクトで美しい庭をめざしましょう。

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小さなスペースを無駄なく利用するアイデア

十分な庭のスペースがあれば、多年草のボーダー花壇、バラの花壇、野菜やハーブのコーナーなど、変化に富んだシーンをあれこれと用意することができます。好きな庭木や花木もたくさん植えることができるでしょう。

しかし、スペースが狭い場合は、そうしたバラエティー豊かな構成は望めません。けれども要素さえ絞り込めばおしゃれな庭はつくれます。日の当たる場所があればバラも植えられますし、野菜もハーブも育ちます。日の当たるスペースがない場合は、半日陰を好む植物を選ぶことで落ち着いたシェードガーデンをつくればよいでしょう。あまり大きく育つ樹木は植えられませんが、植物の多くはスペースに応じてコンパクトな姿を維持することも可能です。

庭土がなく、まったく植物を植えるスペースがない場合でも、コンテナを活用して植物をあしらうことで、潤いのある空間を演出することができます。

風合いのある質感のアンティークレンガで囲われた小さなスペースに、ガザニアが元気に美しい花を咲かせている。ガザニアは水はけと日当たりのよい場所を好むので、乾燥しやすい場所におすすめ。限られたスペースでも、庭を美しく彩ることができる。
奥行き40㎝ほどの小さな花壇に枕木を立てたりプレートを飾ったりすると、花以外にも視線が向くため花壇を大きく見せる効果が。ラミウムやオルレアなどで、花壇を明るく。
狭い土地で通路をつくるなら、湾曲がおすすめ。直線の通路よりも奥行きが出て、より広く見える。左側にはヤマアジサイ‘黒姫’、右側には赤いモナルダなど暖色系の草花を植栽し、左右にフウチソウを植え、全体的に統一感を出した。
建物の際のほんのわずかなスペースに、デージー、パンジー、プリムラ・ジュリアン、スイートアリッサムなどの春の草花を植え込んだ例。カラフルな花色を思いのままに集めたコーナーは、ミックスキャンディーのような楽しさ。

小さなスペースに花を植えるコツ

ほんの少しのスペースでも見逃さず、なんとかガーデニングできないものかと考えるのは楽しいもの。たとえば、建物に沿ってレンガなどを積み上げれば、建物の壁が背景となる植栽コーナーができます。わずかなスペースなら自分で施工するのもおすすめです。

また、狭くても腐葉土などを入れて土づくりをすると草花がいきいきと育ちます。植物の年間のローテーション、配色や草丈のバランスも考え、小さくてもセンスのよいコーナーづくりをめざしましょう。

玄関に続く階段の横を植栽のスペースに。雑木と山野草がたくさん植えてある。いっしょに植える草花には、イカリソウやミスミソウなどの小さくて繊細な花弁の花を選んで。
駐車場の正面奥(幅・約55㎝)は丈夫で長もちの大型宿根草がメイン。脇にもタイムやハマギクなどを植え、余すことなくスペースを活用。
駐車場の奥の植栽。白を基調にブルーをプラスした色合わせ。白のガウラをフェンスの内側から飛び出させ、ブルーのルリタマアザミと絡まるように植えている。
ジェラストーン張りの門柱とペイビング(舗装)、木の壁と一体化したような小さなレイズドベッド。デザインはモダンだが、自然な質感の構造物でまとめて、ナチュラルな雰囲気に仕上げた。株立ちの雑木が高さを演出し、足元にはオレンジ色や白の小花をちりばめた。季節に応じて草花を植えかえれば、一年中、魅力的な玄関前に。

※この記事は『日陰と小さなスペースの庭づくり 』(主婦の友社)の内容をWeb掲載のため再編集しています。


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