NZ第4四半期GDP、テクニカルリセッション入り 早期利下げも

Lucy Craymer

[ウェリントン 21日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)統計局が21日発表した昨年第4・四半期の国内総生産(GDP)は、季節調整済み前期比で0.1%縮小した。第3・四半期の0.3%減に続く縮小で、NZ経済はテクニカルリセッション(景気後退)に入った。

NZ準備銀行(中央銀行)が予想より早く利下げに踏み切る可能性が高まった。

第4・四半期は、卸売業と小売業の不振、製造業の軟調が続いたことが重しとなった。

前年比では0.3%減少。

アナリスト予想は前期比0.1%増、前年比0.1%増だった。

中銀はインフレとインフレ期待を弱めるためには成長鈍化が必要だと繰り返してきたため、今回の統計に中銀は安どするだろう。

ASBのエコノミスト、ナサニエル・キール氏は「2022年半ば以降、NZ経済は大幅に失速し、コロナ禍明けに見られた力強さはほとんど失われた」と指摘。GDPが予想から下振れしたことで、利下げが2月に示された2025年半ばよりも早期に実施されるとの見方が優勢になったと分析した。

ただ市場の反応は、GDP統計よりも米連邦公開市場委員会(FOMC)の方が圧倒的に大きかった。NZドルはGDP発表後に0.6069米ドルに小幅下落したが、オーバーナイトでは0.5%上昇していた。

市場では現在、NZ中銀が7月に0.25%ポイント利下げを実施する可能性を55%織り込んでおり、8月の利下げは完全に織り込まれている。

中銀は2月、インフレとインフレ期待が目標レンジの1─3%に向かわないと判断した場合、利上げを実施する可能性を示唆していた。

ウエストパックのシニアエコノミスト、マイケル・ゴードン氏は、GDP統計は金融引き締めの必要性がやや低下したことを示唆したものの、5月の次回中銀会合までに起こり得ることはたくさんあると述べた。

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