女性の健康知識、ゲームで学んで 寒河江高生が協力、市が作成

ボードゲームの出来具合を確かめる寒河江高の生徒たち=寒河江市・ハートフルセンター

 女性の健康に関する知識を多くの人に身に付けてもらおうと、寒河江市は同市の寒河江高2年生有志の協力を得て、オリジナルのボードゲームを作った。子宮頸(けい)がんや乳がんの予防と早期発見の大切さなどについて、すごろく方式のゲームを楽しみながら学ぶことができる。同市ハートフルセンターで今月末まで配布しており、学校教育での活用も目指す。

 同校では、他の2年生有志が献血にちなんだオリジナルのボードゲームを作り、若者対象の体験イベントを開いた。この取り組みが好評だったため、女性の健康増進にも応用したいと市が同校に協力を依頼し、医療系の職業志望などの生徒12人が作成に携わることになった。生徒は2月中旬からワークショップに参加して市健康増進課の保健師らと話し合い、マスに入れる文言などを考えた。

 完成したゲームは10代後半から30代前半の女性の生活をたどる内容で、サイコロを振って出た数だけ進む。「20歳になった! 市からお知らせが来て子宮がん検診を無料で受ける」「乳がんセルフチェック しこりを見つける 早期発見で良かった!」などのマスには「止まれ」の表記があり、誰かがそのマスに来た場合は全員がプレーを中断。検診に関する資料の確認や、模型を使って乳がんセルフチェックの触診を学ぶ時間に充てる。

 4日に同センターで開かれた最終回のワークショップでは、生徒が実際にゲームを体験し、「産後ケア、病児保育の事業など新しい知識が得られた」「これからの人生に必要なことを知ることができて良かった」などの感想が出た。作成に参加した高橋優香さん(17)は「ゲームを通して、女性の健康を守る事業などが分かり、自分だけで悩まなくてもいいことが伝わる。男性もぜひ体験してほしい」と話していた。

© 株式会社山形新聞社