カナダ中銀、年内に利下げの条件見込む 議事要旨で言及

Promit Mukherjee David Ljunggren

[オタワ 20日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)は20日、政策金利の据え置きを決めた今月6日の理事会の議事要旨を公表した。経済が予想通りに進展すれば、利下げに向けた条件が年内に現れてくるとの見解で理事会メンバーが一致したことが分かった。

中銀が利下げの可能性について時間軸を示すのは初めて。ただ、利下げに適した条件が整ったことを示す十分な証拠が得られる時期や見通しに対するリスクの評価方法を巡っては見解が分かれた。

マックレム総裁は6日の理事会で、基調的なインフレが根強いことから利下げを検討するのは尚早とし、具体的な時期に言及しなかった。

議事要旨は「消費者物価指数(CPI)の構成要素で3%を超えて上昇した割合は引き続き低下したが、依然として45%に近く、歴史的平均を大幅に上回った」と指摘した。

金融市場では6月の利下げ確率が23%強と、議事要旨公表前の約24%から小幅に低下した。7月の利下げ確率は引き続き完全に織り込まれている。

議事録によると、理事会は依然として高水準の住居費に懸念を示している。

理事会メンバーは住居費を構成するほとんどの要素が「1月も大幅に上昇した」とし、春に住宅セクターが回復すれば、同セクターのインフレ率が上昇し中銀の目標中間値への回帰が遅れる可能性があるとした。

一方、賃金圧力が緩和し始めたという認識も示した。

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