難病ALSの日常伝える 八戸の小笠原さん、ウルスラ中高で座談会

視線入力のパソコンを介し、生徒らに語りかける小笠原元子さん(左奥)

 八戸聖ウルスラ学院中学・高校(里村智彦校長)は14日、元同校家庭科教諭で、筋肉が徐々に動かなくなる難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」を患う八戸市の小笠原元子さん(40)を招き、座談会を開いた。同校の生徒や教諭約20人が参加し、ALSの病状や行政の支援、普段の生活について学んだ。

 2016年にALSと診断を受けた小笠原さん。現在は会話がほぼできない状態で、市内では初となる24時間の重度訪問介護を受けている。

 座談会では、小笠原さん自らが作成したパワーポイントや視線入力のパソコンを通じ、これまでの生活や経験を紹介。パソコンで描いた花の絵なども披露しながら、ゆっくりと病状は進行しているものの、楽しみを見つけながら暮らす日々について語りかけた。

 生徒らからは、病気になり精神面で支えになったことを問われ、小笠原さんは「診断を受けた頃は涙が止まらず、(同校の)先生たちに励ましてもらった。今でも心の支え」などと涙ぐみながら答えていた。

 同中学の頃、小笠原さんの家庭科の授業を受けていたという、英語科3年の浅坂凜々(りり)さん(19)は「先生がALSにかかっていたなんて全く知らず驚いた。話せなくなっても懸命に情報発信する姿を見て、私もそういう姿勢を見習いたいと思った」と話した。【全文】

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