唐津市出身の建築家・辰野金吾(1854~1919年)の生誕170周年の記念祭が19日、同市の旧唐津銀行(辰野金吾記念館)で始まった。辰野が設計した東京駅が描かれた新1万円札が7月に発行されることにちなみ、初日は東京駅の線画を子どもたちが色鮮やかに塗り上げた。
辰野は坊主町生まれで、同じ校区の大志小5年生約80人が線画に色を塗った。川添晃太朗君は「東京駅を造ったすごい建築家。塗り絵を東京の人にも見てもらいたい」と話した。完成した絵は佐賀県庁や唐津市庁舎、東京駅に展示を打診する予定という。
記念祭は地元出身の辰野の功績に誇りを感じてもらおうと、NPO法人唐津赤レンガの会が主催した。NPOメンバーの講話では、同市江川町の職人が東京駅の屋根飾りの復元に関わったことも紹介した。
元唐津工業高建築科教員で、ロゴデザインなどを手がける山上明善さん(59)による「辰野建築の大きな線画と写真展」も開催。韓国の朝鮮銀行本店、大阪府の大阪市中央公会堂など国内外の建築の線画5点が並び、レンガ一枚一枚や細やかな装飾が描き込まれている。
記念祭は24日まで。入場無料。(横田千晶)