自転車、県内周遊ルート完成 各地4コース8カ所つなぐ ツーリズム推進協、総延長780キロ

 自転車を活用した観光の推進や地域活性化を目指す「栃木県広域サイクルツーリズム推進協議会」(座長・篠原靖(しのはらやすし)跡見学園女子大観光コミュニティ学部准教授)は20日までに、県北、県東、県南、県西の各周遊コースをつなぐ新たな八つのルートを選定した。2020年度から、自転車に乗って本県の自然や文化、食を満喫できるモデルルートづくりに取り組んでおり、県内全域を網羅する総延長779.5キロのルートが完成した。

 同協議会は県や識者、観光事業者の代表ら計15人で構成する。県が策定した「県自転車活用推進計画」(20~25年度)に基づき、県内4地域ごとに周遊コースを設定。本年度は総仕上げとして、これらをつなぐルート案を検討してきた。

 新たな八つのルートは、各周遊コースの間を2~9キロの短距離で結んだ。所要時間は10~40分。交通量の多い道路を避け、県道を優先的に使うことなどを条件に、関係者らが実際に自転車で走って安全性などを確認した。

 例えば、県東と県北を結ぶルートは馬頭温泉郷のアップダウンと那珂川の絶景を楽しめるのが特徴。県西と県南を結ぶルートは古峰ケ原街道や大芦川沿いの区間を結ぶ上級者向けのコースとなっている。

 県によると、今後は県内全域のモデルルートに関する情報をネットで周知するほか、八つのルートについては路面標示や案内標識の整備などを検討する。

 県は「今後はモデルルートの利用定着が重要になる。市町や民間団体の各種取り組みを支援し、サイクルツーリズムの機運を盛り上げたい」としている。

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