特別支援学級に「恩返し」 那須塩原・南小でプログラミング授業 支援学級出身の神山さんが講師

特別支援学級の児童にプログラミングの楽しさを教えた神山さん(中央)

 【那須塩原】特別支援学級の児童を対象としたプログラミング授業がこのほど、南小で行われ、自身も小中学校で特別支援学級に通った経験を持つ神山顕大(かみやまあらた)さん(18)=大田原市中田原=が講師を務めた。昨年10月にデジタル庁からデジタル推進委員に任命され、3月上旬に専修学校を卒業した神山さんは「子どもたちに教えることで、お世話になった特別支援学級への恩返しになれば」と思いを語った。

 神山さんは、小学5年のとき那須町で開かれたプログラミングのイベントに参加したことをきっかけに教室に通うようになり、プログラミングの基礎を学習。中学卒業後は特別支援学校に通う選択肢もあったが、自身の希望で宇都宮市の国際TBC高等専修学校に進学した。

 プログラミングの専門知識を吸収する中で膨らんでいったのは、「プログラミングの楽しさを多くの人に伝えたい」との思い。2021年からボランティア団体「那須野崎プログラミングクラブ」のメンター(サポート役)として市内公民館などで地元の小中学生らを指導。その過程で南小とつながりができ、今回の出前授業につながった。同校では過去に近隣の高校生がプログラミングを教えに来たことはあるが、特別支援学級の児童だけを対象にしたケースは今回が初めて。

 授業には同校の特別支援学級の児童18人が参加。神山さんは教育用プログラミングソフトを使い、好きな絵を描いて画面上で動かす仕組みを説明した。児童は「上手にできた」「変な顔になった」などと話しながらタブレット端末を操作した。4年渡部未悠(わたなべみゆ)さん(10)は「説明が分かりやすかったので意外と簡単にできた」と声を弾ませた。星野悦子(ほしのえつこ)校長(57)は「子どもたちの表情がいつも以上に生き生きしている。体験を通して学ぶ機会をもらえて非常にありがたい」と感謝した。

 4月から国際情報ビジネス専門学校に進学する神山さんは「一人一人が楽しそうに取り組んでくれてうれしかった。プログラミングを学びながら教えることも続けていきたい」と充実感をにじませていた。

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