米林さん復興イラスト 都内で展示、チャリティーに 野々市出身・アニメ映画監督

米林監督が能登の復興を願って描いたイラスト(野々市市提供)

  ●カキや能登牛、ワイン描く  

 野々市市出身のアニメーション映画監督、米林宏昌さんが同市の依頼を受け、能登半島地震で甚大な被害を受けた能登の復興をテーマにイラストを描いた。カキや能登牛(うし)、ワインなど能登の特産品が所狭しと描かれており、23、24日に都内の復興支援イベントで展示した後、チャリティーオークションにかける予定。米林さんは「地元の方が馴染(なじ)みのある食材に気づいて楽しんでもらえたら嬉(うれ)しい」とコメントしている。

 イラストはA2判の大きさで、魚醬(ぎょしょう)いしるやナマコの高級珍味クチコ、ジェラートなど能登の食べ物が描かれている。「のとをいただきます!」と文字が添えられ、自ら監督した作品「メアリと魔女の花」の主人公に似た女の子が今にも味わおうとする様子が生き生きと表現されている。

 米林さんは市から依頼された際、題材に浮かんだのが能登の豊かな食材だったと説明し、「石川県に住んでいた時には能登のものを食べたりしていたし、今でも帰省するたびに奥能登の塩を買います」と市にメールでコメントした。

 さらに「能登の方たちはまだ苦しい状況にあるかと思いますが、これから復興して元に戻っていったときには、僕も訪れて食べ物や風景を味わいたいと思いますし、たくさんの人にも味わってほしい」と記した。

 イラストは23、24日に東京・八重洲の石川県のアンテナショップ「八重洲いしかわテラス」で行われる市の能登半島地震復興支援イベント「チャリティーDay」で展示する。4月には市役所や市にぎわいの里ののいちカミーノで展示する計画で、5月ごろにはチャリティーオークションにかけ、売却益全てを復興支援の義援金として寄付することにしている。

 23日のイベントでは、米林さんを含む市出身やゆかりの7人が会場を訪れ、米林さんがイラストについて解説する予定。野々市ブランド認定品をはじめ、期間限定酒なども販売し、売り上げの一部を義援金に充てる。

 市の担当者は「地震で大きな被害がなかった野々市市だからこそできる支援で、能登の復興を応援し続けたい」と話した。

イラストを描いた米林監督

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