「大谷翔平をもう1回つくりたい」WBC優勝の栗山前監督語る 白鴎大の学生がインタビューに挑戦

栗山さん(中央)にインタビューを行った学生たち

 【小山】野球のワールドベースボールクラシック(WBC)日本代表の劇的優勝から1年。白鴎大地域メディア実践ゼミ(下村健一(しもむらけんいち)教授)の学生6人が、監督として偉業を成し遂げた同大特任教授の栗山英樹(くりやまひでき)さん(62)に単独取材を行い、このほど約7500字に上るインタビュー記事にまとめた。栗山さんの著書を読み込んで準備し、学生ならではの視点で若者に向けたメッセージを引き出した。

 栗山さんは2004年度に同大助教授に就任。現在は休職中だが特任教授として研究室を持ち、年に1回程度特別講義を行っている。今年1月からはプロ野球日本ハムのチーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)に就任し、球団運営やチーム編成を担っている。

 インタビューは昨年11月、栗山さんが講演のため白鴎大足利高富田校舎を訪れた際に行った。学生らは同大図書館にある栗山さんの著書7冊を読み込み、質問項目を精査して臨んだ。

 取材班長の3年岡結菜(おかゆいな)さん(21)は「自分たちは学生という立場なので、栗山さんの学生時代を深掘りしたかった」と話す。「少年時代、わがままな次男坊だった」と著書に記した真意や、夢をかなえられた要因、挫折した際のメンタルの保ち方などを尋ねた。

 栗山さんは「今できなくても明日できればいい。できないことがあるから人間は頑張る」「夢ややりたいことがなくても、いつか見つかるまで自分を信じて待っていて」などと若者への激励の言葉を次々と投げかけた。野球関連でも「大谷翔平(おおたにしょうへい)をもう1回つくりたい」と興味深い構想を披露した。

 インタビューを通じて3年小林菜々子(こばやしななこ)さん(21)は「夢は意外と近いところにあると聞き、自分も諦めず努力しようという気持ちが湧いてきた」と振り返った。

 同ゼミ生らは下野新聞紙上に企画記事「県南いいね散歩」を連載するなど、学外のメディア向けに取材・出稿を行っている。その取り組みの一環としてインタビュー記事を企画し、栗山さんに白羽の矢を立てた。

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