福島県飯舘村の地域振興などを考える東京大の学生サークル「東大むら塾 飯舘部」は、村内行政区別の文化や歴史、東京電力福島第1原発事故発生前後の様子などをまとめた冊子「いいたて行政区ずかん」を製作した。編集を担当した学生らは「地域の特徴が一目で分かるよう工夫した。移住者の呼び込みなどに活用してほしい」と話している。
福島イノベーション・コースト構想推進機構の「大学等の『復興知』を活用した人材育成基盤構築事業」を活用した。第1弾として全20行政区のうち、10行政区分を収録している。学生は2022(令和4)年夏以降、各行政区長らに聞き取り調査を行ってきた。約40ページにわたり地域の事業所や産業の特徴、伝統行事などを写真付きで紹介している。飯樋町行政区の渡辺富士男区長が各区長との調整役を担った。
編集長を務めた松野大河さん(教養学部4年)は、冊子が村の姿を伝える記録となるほか、移住者が居住先を決める上での参考書になると強調。「村の復興の役に立てればうれしい」と語った。冊子は10行政区の住民に贈った。村役場や村交流センターふれ愛館などで配布している。残り10行政区を紹介する冊子は2024年度中の完成を目指している。