レブロンが考える“最も影響を与えた”選手は「ステフとアイバーソン」。テイタムも高評価「今後、峠を越すのを見てみたい」<DUNKSHOOT>

レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)とJJ・レディック(元ロサンゼルス・クリッパーズほか)によるポッドキャスト番組『Mind the Game』の初回フルエピソードが、3月19日にYouTubeなどへ公開された。

友人のレブロンがポッドキャスト界へ進出したことを受け、同じくこの日に最新エピソードを公開したドレイモンド・グリーン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)は、自身のポッドキャスト番組『The Draymond Green show』にて「まったく、俺は気が動転しているよ。(レブロンは)まだ俺の番組にも出ていないじゃないか」とチクリ。

バスケットボールについて語り尽くすことを目的に始動させた『Mind the Game』は、YouTubeで43分58秒の尺で配信。テーブルの上に並べたワインを挟んで、両者がフランクにトークを展開していった。

そのなかでレブロンは、「ゲームを観始めてから、最も影響を与えた人物」について、次のように語っている。

「もちろん、マイク(マイケル・ジョーダン)の功績はみんな知っている。(ただ)俺がゲームを追いかけ始めてからでは、ステフとアレン・アイバーソンが最も影響力のある2人だ」
レブロンはキャリア初期に対戦したアイバーソン、そしてステフことウォリアーズのステフィン・カリーを挙げた。

「AI(アイバーソン)には信じられないくらいのクロスオーバーがあり、コーンロウ(編み込みの髪型)、アームスリーブも着けていた。今では誰もがアームスリーブを着用しているが、それはアレン・アイバーソンの影響だ。それに大柄な選手越しに次々とレイアップを決めた。そして現在は、まるでエンパイアステートビルからシュートしてしまうステフがいる。ゲームを変えた最も影響力のある2人だ。子どもたちはあの2人を毎晩観たがっていた」

183cm(実際にはそれ以下とも)のサイズながら、抜群のスピードとドリブルを武器にリングへアタックし、コートに倒されるたびに立ち上がって戦い続けたアイバーソンと、驚異的なシュート力を駆使してリーグを3ポイント全盛へ誘ったカリーは、レブロンから見ても強烈だったのだろう。 そうしたなか、現在リーグベストの55勝14敗(勝率79.7%)を記録し、一番乗りでプレーオフ進出を決めたボストン・セルティックスのエーススコアラー、ジェイソン・テイタムの話題に。

レブロンは、キャリア7年目の今季も平均27.1点、8.3リバウンド、4.9アシストの好成績を残し、自身初のリーグ制覇へ歩みを進める26歳のオールスターフォワードを高く評価していた。

「彼は25歳の時点で、(プレーオフの)カンファレンス・ファイナルに4回進出し、ファイナルも1回経験している。俺は28歳(実際は27歳)になるまで優勝できなかった。(昨季優勝したデンバー・ナゲッツの)ニコラ・ヨキッチが27歳(実際は28歳)で、マイケル・ジョーダンの初優勝も28歳だったと思う。

俺たちはJT(テイタム)へものすごく期待しているけど、彼はすでにキャリアのなかで数多くの勝利を経験してきた。今後、彼が(初優勝への)峠を越すのを見てみたいものだね」
レブロンが指摘したように、テイタムはNBA入りから毎年プレーオフに出場しており、2018、20、22、23年にカンファレンス・ファイナルに進出。2022年にはNBAファイナルを経験している。

18年には当時クリーブランド・キャバリアーズに所属していたレブロンが、ルーキーだったテイタムとファイナル進出をかけて激突し、4勝3敗で撃破。22年のファイナル初出場時はカリー率いるウォリアーズに2勝4敗で敗れたとはいえ、リーグのベストプレーヤーの1人という地位を確立したと言っていい。

セルティックス、そしてレブロンが在籍するレイカーズは、NBA史上最多となる17回の優勝回数を誇っている。もし今季、セルティックスがプレーオフを勝ち上がり、球団史上18度目のNBAチャンピオンに輝くことになれば、テイタムの選手としての評価はさらに高まることだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)

© 日本スポーツ企画出版社