ロシア凍結資産活用、7月にも EU首脳、計画進展で合意

記者会見するEUのフォンデアライエン欧州委員長=21日、ブリュッセル(ロイター=共同)

 【ブリュッセル、ワシントン共同】欧州連合(EU)首脳会議は21日、欧州で凍結されたロシア中央銀行の資産から生じる利子などの収益をウクライナの軍事支援に充てる計画の進展を求めるとの合意文書をまとめた。EUのフォンデアライエン欧州委員長は協議後の記者会見で、加盟国が速やかに合意すれば、7月にも収益を活用できる可能性があると述べた。

 凍結資産の扱いでは法的な問題点を指摘する声があり、EUは元本ではなく収益の活用を検討。凍結資産から年間30億ユーロ(約4900億円)の収益が見込まれるとして、9割をウクライナ支援向けにEUの基金「欧州平和ファシリティ」に移し、残り1割についてはEU予算を通じたウクライナの防衛産業支援に回す案を協議した。

 首脳会議でオンライン演説したウクライナのゼレンスキー大統領は、資産と収益の「両方をウクライナの再建と支援、(ロシアの)テロ行為を阻止するための武器購入に役立てるのが公正だ。ロシアは戦争の代償を感じなければならない」として資産自体も使うべきだと訴えた。

2月、キーウ市内で記者会見するウクライナのゼレンスキー大統領

© 一般社団法人共同通信社