鮮やか、新聞ふう記録誌 金沢21美、本社輪転機で印刷 写真大きく読みやすく

新聞と同じ形態で製作した記録誌を眺める職員=金沢21世紀美術館

  ●イベント内容収録 

 金沢21世紀美術館は21日までに、北國新聞社の輪転機で印刷したワークショップの記録誌を製作した。本物の新聞と同じ大きさ、紙質で、これまでの冊子タイプの記録誌に比べて写真が大きく読みやすくなった。ワークショップの講師を務めた金沢市出身のデザイナー、酒井洋輔さんが発案したもので、情報の一覧性、見やすさといった新聞の特性を生かし、アートイベントの成果を色鮮やかに伝えている。

 昨年7~9月に開催した中学生対象のワークショップ「中学生まるびぃアートスクール」の様子を収録した。全32ページで、生徒らが絵や工作に取り組む表情、仕上げた作品などを大きなカラー写真と文章で紹介。「号外」として、能登半島地震で被災した金沢美大生による、被災地の写真なども掲載した。

 ワークショップは毎年開いており、これまでの記録誌はコンパクトな冊子にしていたが、講師で、京都芸術大准教授の酒井さんが、写真を大きく見せる狙いで「新聞作り」を発案した。

 元々、新聞紙の紙質などが好きだという酒井さんは「新聞はサイズが大きく、写真をふんだんに使える魅力がある。新聞らしさを残しながらも、開くと全く別物という面白いものができたと思う」と語った。

 記録誌はワークショップ参加者に配られるほか、同館のミュージアムショップで販売する。金沢21世紀美術館の担当者は「多くの人に親しみのある新聞に似せたことで、手に取ってもらいやすくなった」と話した。

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