砺波招待券早くも転売 チューリップフェア 市が対策講じた直後

となみチューリップフェアの招待券が転売されているフリーマーケットアプリの画面

 北陸の春を代表する砺波市の人気イベント「となみチューリップフェア」の今年の招待券が転売されていることが21日、分かった。招待券付きの市広報の抜き取りや転売が横行し、市などが対策を講じた直後で、フェアの盛り上げに水を差しかねない心ない行為に、市関係者は大きなショックを受けている。

  ●発送元は東京

 招待券は、右肩の管理番号を付箋で隠した状態で数日前にフリーマーケットアプリに出品され、2枚で2100円(税込み)や2千円(同)で相次いで売買された。発送元は東京などとなっている。市などがフェアの協賛企業への返礼や各種キャンペーンなどで配った招待券とみられる。

 人気のフェアでは、毎年、市広報に招待券を添付し、市民や市外にいるその知人、親類らの来場を促している。ただ、近年はフリーマーケットアプリ、インターネットオークションで転売されるケースが相次いでいた。

 このため、市や市花と緑と文化の財団などは対策として、今年から招待券の管理番号を大きく印字し、「招待券の売買が判明した場合は入場をお断りする場合があります」と赤字で目立つよう注意書きを記した。

 3月下旬に配布する市広報4月号に添付する招待券は記名式に変更している。利用するには市民の住所と名前を記入し、市外の人がもらった場合はさらにその住所も書く必要があり、転売防止を図る。

 4月23日に開幕する今年のフェアでは入場料が大人(高校生以上)で200円値上げして1枚1500円になり、転売など悪質な行為がさらに増えないか心配する声も上がる。

 今年は新市誕生20周年を記念するフェアで、関係者は新幹線でつながる北陸全体で能登半島地震の被災地に元気を送ろうと、盛り上げに力を入れる。市関係者は、招待券を配り始めた直後の転売にショックを隠しきれず、「非常に残念で腹立たしいが、モラルに委ねるしかない」(商工観光課)、市花と緑と文化の財団は「大変残念。100%は防ぎきれないが、心ない行為はやめてほしい」と訴えた。

 ★フリーマーケットアプリ スマートフォンを使って個人同士が簡単に商品を売買できるネット通販のアプリ。フリーマーケット(フリマ)のように手軽に出品して取引できることから「フリマアプリ」と呼ばれる。

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