第2の母校「忘れない」 集団避難の輪島中生、22日帰郷

別れを惜しむ輪島中生と白嶺小中生=21日午後2時20分、白山市白嶺小中

  ●白嶺小中でお別れ会「ここにも仲間がいる」

 「第2の母校を忘れない」。能登半島地震後、白山市内に集団避難している輪島市輪島中の1年生が21日、翌日の帰郷を前に、白山市白嶺小中の児童生徒や学校関係者とのお別れ会に臨んだ。生徒は2カ月ぶりに親元へ戻れる喜びを口にしながらも「ここを離れる寂しさもある」と複雑な心境を吐露。白嶺小中の生徒は名残惜しむ輪島中生を抱きしめ「向こうに戻っても元気で」と笑顔で送り出した。

 輪島から避難してきた生徒の受け入れ校の一つである白嶺小中の生徒が、22日で集団避難が終わることを受け、「被災地に戻るみんなにエールを送りたい」とお別れ会を企画。輪島中1年生43人が参加した。

 白嶺側は児童生徒60人で「流れゆく雲を見つめて」と校歌を歌い、生徒会長の辻悠心さん(2年)が「これからも大変な日々が続くと思いますが、頑張ってください」とあいさつ。髙松宏晃校長は「言葉にできない困難が降りかかるかもしれないが、ここにも仲間がいると思って前を向いてほしい」と激励した。

 これに対し、輪島中の永草正彦校長は「皆さんの優しさと思いやりを生涯忘れない」と感謝。生徒は「涙そうそう」と校歌を合唱し、1人1人がしたためた感謝の手紙を手渡した。

 同校の川端斗喜さん(13)は「やっと輪島に帰ることができるけど、白山を離れるのは寂しい」と打ち明けた。その上で「突然の地震だったが、校舎を貸してくれて本当に感謝している」としみじみと語った。

 新田結さん(13)は避難生活を振り返り「友達の存在が支えになった。たくさん話して寂しさを紛らわせることができた」と笑顔。「帰ったらお母さんのご飯を食べたい」と話した。

 輪島中生は1月17日、地震による断水や校舎の破損を受け、学習の機会を確保するため希望者のみ白山市内へ避難した。22日午後に輪島市へ戻る。

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