4月の台湾公演に向け集中リハーサル始まる 福島青年管弦楽団 3月31日には成果披露の演奏会

集中リハーサルに臨む団員

 福島県内在住、出身の中学生から若手社会人でつくる福島青年管弦楽団は21日、福島市のキョウワグループ・テルサホール(福島テルサ)で、4月の台湾公演に向けた集中リハーサルを始めた。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故発生後に多大な支援を寄せた台湾の人々に感謝を示すため、音色を磨いている。

 メキシコからの留学生2人を含む団員約50人が活動している。台湾ではラフマニノフ作曲「ピアノ協奏曲第2番第1楽章」など多彩な曲を演奏する予定で、29日までの集中リハーサルで呼吸を合わせる。

 橘高を今月卒業した団員の佐藤若菜さん(クラリネット)は「年齢も国境も性別も超え一つの音楽をつくりたい」、安積黎明高2年の団員村上陽彩さん(バイオリン)は「一人一人が輝ける演奏を目指す」と話した。台湾公演を前に、練習成果を披露するコンサートを31日午後2時から市内のふくしん夢の音楽堂(市音楽堂)で開く。

 台湾では4月4日、台北市の中山堂で演奏する。現地の台北フィルハーモニー管弦楽団と、同楽団付属の青年オーケストラが共演する。台湾公演の益金は現地の貧困世帯への寄付に充てる。

 福島青年管弦楽団は2014(平成26)年に設立され、英国ロンドンで2度、米国ボストンとタイのバンコクで1度ずつ公演した。今回は2019年のロンドン以来、5年ぶり5度目の海外公演となる。

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